令和5年度 第1回「質の高いがん看護実践を検討する会」を開催いたしました
皆で考えよう“認知症をもつがん患者への看護”-患者・家族のニーズをいかにつかむか-
【第1回テーマ】認知症をもつがん患者の症状マネジメント
【日時】
令和5年11月3日(金・祝)13時00分〜15時00分
【場所:開催方法】
高知県立大学・高知県立あき総合病院・高知県立幡多けんみん病院を、オンライン会議システムを繋げて開催(*地域の看護職は希望する会場で参加)。
【参加者】
3会場:29名参加(看護職者23名、大学院生2名、教員4名)
がん看護学領域では、“質の高いがん看護実践を検討する会”を開催し、様々な場でがん看護に携わる看護職の皆様と、事例検討を通した意見交換や学習を行っています。
COVID-19感染拡大後はオンライン会議システムを用いて開催してきましたが、今年度は新しい試みとして、高知県内の3つの会場(西部サテライト:県立あき総合病院、東部サテライト:県立幡多けんみん病院、中央:高知県立大学池キャンパス)をオンラインで繋げて開催いたしました。
本年度は、昨年度の検討会参加者から寄せられた意見を参考に、「皆で考えよう“認知症をもつがん患者”への看護-患者・家族のニーズをいかにつかむか」をテーマとし、全2回の開催を予定しました。第1回は、「認知症をもつがん患者の症状マネジメント」をテーマに、肺がん(ステージW)の骨転移による痛みと認知機能の低下がみられた男性患者の架空事例です。
ディスカッションの1つ目は、患者さんの認知機能のアセスメントについて話し合いました。患者さんの入院前後に表れている認知機能の低下や混乱状況をどう考えるか、様々なスケールを参考に意見を出し合いました。特に“認知症”と“せん妄”の違いを判断するためのアセスメントを丁寧に行うことの重要性について議論が深まりました。ディスカッションの2つ目は、認知機能の低下がみられる患者さんが体験している痛みと、その痛みに対する看護援助に焦点を当てて話し合いました。参加者は病院や施設、訪問看護STなど多様な施設から参加しており、それぞれの場で実践している、認知症があるがん患者さんの痛みのアセスメントや鎮痛薬の使い方の困難さや対応の工夫について意見交換をしながら、事例患者さんへの看護援助について検討を行いました。
ミニレクチャーでは、「認知症をもつがん患者の症状マネジメント」として、認知症とせん妄のアセスメントや、認知症があるがん患者さんの疼痛ケアなどについて説明がありました。
参加者の皆様からは、知識の習得だけでなく、「他施設の看護職同士で話し合うことで、自分たちの実践を考える良い機会になった」との意見が聞かれました。久々の対面での開催で、参加者の方々の活発な意見交換がなされ、あっという間の事例検討会でした。Web環境の整備など課題も残りましたが、次回に向けて改善していく予定です。
また、サテライト会場を設けたことで、「近くの会場に参加が出来る」という意見も聞かれ、多くの方々に参加頂けたことやサテライト会場運営においては、県立あき総合病院と県立幡多けんみん病院の皆様に、多くのご協力を頂き、感謝申し上げます。
第2回の質の高いがん看護実践を検討する会は、令和6年2月10日(土曜日)13時00分〜15時00分で、テーマは「認知症をもつがん患者の希望を把握し支えるケア」です。今回と同様にサテライト会場を設けて開催予定です。多くの皆さまのご参加を、お待ちしています。
〈3会場をオンラインで繋げた発表の様子〉
<西部:県立あき総合病院>
<東部:県立幡多けんみん病院>
<中央:池キャンパス>