大学の基本理念と目的・沿革

 公立鳥取環境大学はたいへん特徴のある大学です。まず、本学は人間形成教育という柱を立てている点です。その根幹をなすのが、1年次から4年次まで続くプロジェクト研究で、1・2年次では学部の壁を越えて学生同士協力しあい、フィールドに出て調査・研究をします。仲間と共同しつつ、自ら考えて行動することでたくましさを身につけることを期待しています。次に、本学は環境学部と経営学部の2つだけからなるという点です。なぜ環境学と経営学なのでしょうか。環境システムを思考の原点にしつつ、持続可能な人間活動の在り方をしっかり考える力を身につけるのに、この2つの分野の組合せがベストと思います。環境学部と経営学部の学生がそれぞれの専門分野をしっかり学ぶとともに、相互乗り入れで、一緒に汗を流して、課題を見つけ、その解決策を探るためには、お互いが知りあいになる必要があり、そのためには規模は小さい方がよいのです。

 私たちは「地球村」で生活している、とたとえる人がいます。今や、人、お金、もの、情報などが地球規模で動き回るようになりました。「地球村」のどこかで変化があれば、すぐに「村」全体に影響がおよびます。このようなことは、人類はこれまでに経験したことがなく、グローバル化した世の中がこの先どうなるのか、よく分かりません。予測困難な状況のもと、世界がダイナミックに変化し続けることだけは確かです。このような世の中で皆さんに求められるのは、生き抜く力です。そして、自らを変えていける力です。では、こうした力はどうすれば身につくのでしょうか。本学では創立以来、人間形成教育に力を入れてきました。優れた教員の指導のもと、環境学と経営学の確固とした基礎力を習得するとともに、これからの世の中を生き抜くための必須ツールである、英語力、情報処理力、コミュニケーション力をしっかり身につけてほしいと思います。それを可能にする、世界レベルの優れた教員が本学にはそろっています。主体的な学びを通して、生涯学び続ける人間、絶えず自らを変えていける人間になるための基本を身につけることを願っています。

 少子高齢化したわが国にとって大切なことは、ほんとうの幸せや豊かさとは何なのかしっかり考えてみることです。温かい「人と人とのつながり」のある鳥取でフィールド学習できるのは、素晴らしいことです。豊かな自然と長い歴史のある鳥取での勉学と生活を通して、地域の人達の思いやニーズに気づき、課題解決できる、たくましい大人への第一歩を踏み出して下さい。

理事長・学長 江 信芳


[Profile]
京都大学農学部を卒業。京都大学大学院 農学研究科 農芸化学専攻 博士課程修了。京都大学化学研究所の助手、米国マサチューセッツ工科大学化学部へ留学の後、京都大学化学研究所助教授・同化学研究所教授・所長、京都大学理事・副学長(京都大学名誉教授)、放送大学京都学習センター所長、特任教授を歴任し、2018年に公立鳥取環境大学学長・理事長に就任。
 本学が掲げる基本理念、目的をご紹介します。

【公立鳥取環境大学の基本理念】
 公立鳥取環境大学は「人と社会と自然との共生」の実現に貢献する有為な人材の育成と創造的な学術研究を行うことを基本理念としています。

【公立鳥取環境大学の目的】
 公立鳥取環境大学は、広く知識を授け、深く専門の学術を教育・研究し、人と社会と自然との共生を実現していくため、豊かな人間性にあふれ、自ら考え行動し、力強く生きる人間を育成します。

 また、持続的な社会の発展を目指し、地域の自然環境や人と人とのつながりを大切にするローカルな視点を持ちながら、自然環境の保全と人類の経済発展の両面にわたりグローバルに活躍できるバランス感覚に優れた、地域とつながり、地域を担う人材、世界にはばたく人材を育成します。
 公立鳥取環境大学の歴史をご紹介します。

【開学にいたるまで】
昭和40年代後半から鳥取市が女子短大や私立大学の誘致に取り組みましたが、実現に至りませんでした。

平成7年、鳥取商工会議所等から、「東部地区へ公立大学を設置」についての要望が鳥取県及び市へ提出されました。

平成9年6月、県と市が有識者からなる「大学設立準備委員会」を設立し、公設民営方式による新大学の設置について検討を始め、平成10年3月「新大学基本計画」を県議会、市議会に説明し、了承を得ました。

平成10年4月より、具体的な教育内容の検討と教員確保に着手し、文部省の許可を受けて、平成11年3月、鳥取環境大学設立準備財団が設立されました。

平成11年9月、文部省へ学校法人鳥取環境大学寄附行為と大学設置の認可申請を行いました。

平成11年12月、環境に配慮した施設となるよう様々な工夫を凝らしながら大学の建設工事に取りかかりました。

平成12年12月、文部省からの認可を受け、平成13年4月の開学が決定しました。

【開学後】
平成13年4月、鳥取県と鳥取市が設置する公設民営方式の鳥取環境大学(1学部3学科)開学

平成17年4月、大学院修士課程(環境情報学研究科)設置

平成21年4月、既設の「環境政策学科」「環境デザイン学科」の学科名称を「環境政策経営学科」「建築・環境デザイン学科」に変更し、新たに「環境マネジメント学科」を設置(1学部4学科)

平成23年12月、「公立大学法人鳥取環境大学設立認可申請書」提出(総務大臣・文部科学大臣宛)

平成24年3月、公立大学法人鳥取環境大学設立認可

平成24年4月、公立大学法人鳥取環境大学設立

平成27年4月、法人を「公立大学法人公立鳥取環境大学」、大学を「公立鳥取環境大学」に名称変更

平成28年4月、大学院修士課程(環境経営研究科)設置