芸術文化学科・永井教授著『新・舞台芸術史〜劇場芸術の境界線から読み解く〜』が出版されました

芸術文化学科の永井聡子教授が著した『新・舞台芸術史〜劇場芸術の境界線から読み解く〜』(現代図書出版)が出版されました。
永井聡子教授が博士論文をまとめた単著『劇場の近代化—帝国劇場・築地小劇場・東京宝塚劇場-』(思文閣出版)にて定義した「劇場」から見えくる日本の劇場の近代を、さらに劇場芸術をキーワードとして舞台芸術論を歴史的に読み解いた一冊は、これまでも「演劇史」「演劇文化論」「劇場プロデュース論」の講義にて、学生に伝えてきました。自作の創造作品のクリエイションに関する考察も含めた内容となっています。

書籍情報


『新・舞台芸術史〜劇場芸術の境界線から読み解く〜』
永井 聡子 著
発行:現代図書

A5判 203ページ
定価 3500円(税抜)
ISBN 978-4-434-33689-8
書籍詳細(出版社Webサイト)

永井教授のコメント

本書は、以前よりあたためていた劇場芸術の境界線に焦点を当てたものとなりました。
「劇場」が建築であり空間であるとする考えが一般的な中で、総合芸術のひとつとして、様々な創造作品の前提環境となる劇場が「ハコモノ」と揶揄されることに強い違和感を覚えていました。日本の公立文化施設が「劇場」である必要があると語るとき、それは運営上充分なソフトウェアがハードウェアとセットで議論され、計画され、実施されることを意味しなければなりません。
こうした考えが、2001年に博士論文を提出した最中にあって、なかなか理解が進まない現状に問題意識をもち、これをどうにかして現場に寄り添いながら研究を進めていけないものか、若い人たちにも伝えられないかという思いで執筆しました。劇場芸術の境界線に焦点を当てた視点を踏まえて、新しい舞台芸術史としたのは、演劇や舞踊、劇場研究の先達たちから創客も含めた作品創造に対する知恵に感銘を受けたことが背景にあります。また劇場の現場で活躍する演劇人や舞踊家、劇場人との対話により、改めて「劇場」が研究領域において見過ごされてきた境界を結ぶ重要な場となることを考察した一冊となりました。