学生が第60回熱測定討論会で優秀ポスター発表賞を受賞
甘中 詩乃さん(修士課程 化学コース2年・兵庫県立西脇高等学校出身/指導教員:理工学群 大谷 政孝教授)が、「第60回熱測定討論会」の優秀ポスター発表賞を受賞しました。
第60回熱測定討論会(主催:日本熱測定学会※)は、京都府立大学 下鴨キャンパスで9月26日〜28日に開催され、全国の大学・研究所・企業等から熱測定に関係する様々な分野の研究者が集い、活発に討論が行われました。甘中さんが参加したポスター発表では86件の発表があり、審査対象となった発表の中から6件の発表に「京都北山賞(優秀ポスター発表賞)」が贈られました。

甘中さんが発表したテーマは、「熱量測定に基づく柔軟性金属有機構造体のCO2吸着機構解析」です。
高性能なガス吸着材料の開発は、カーボンニュートラルを実現する重要な課題の一つです。近年、CO₂を選択的に認識して吸着・分離することが可能な新たな材料として、「柔軟性配位高分子/金属有機構造体(PCP/MOF)」が注目を集めています。甘中さんらは最近、柔軟性PCP/MOFのCO2吸着プロセスを詳細に分析する方法として、「示差走査熱量測定(DSC)」を用いた新たな手法を考案、実証しています(2024年4月23日プレスリリース)。
今回発表した研究では、開発した新手法の広範な材料への応用を試み、材料ごとに異なるCO2吸着特性の差を明らかにすることをめざしました。その結果、骨格構造の異なる柔軟性PCP/MOFでは、CO2吸着プロセスに伴って観測される熱量変化に顕著な違いが見られることを見出しました。また、熱量変化を様々な分析条件で測定することで、CO2吸着プロセスにおける結晶構造の経時的な変化をより詳しく解析する新たな手法も提案しました。熱測定を固体材料のCO2吸着プロセスの解析に応用する独自の試みが高く評価され、今回の受賞に繋がりました。

甘中さんコメント
「CO2吸着特性の新たな熱力学的解析手法として、熱分析専門の先生方に高く評価していただけたことに、大変嬉しく思います。受賞できたのは、大谷先生をはじめ研究室の皆さんの協力があったからです。感謝申し上げます。今回の学会でいただいたアドバイスを参考にし、更なる吸着機構の解明と材料の高機能化に努めたいと思います」
※1969年に設立された「熱測定研究会」を前身とし、「熱測定」に関する科学および技術の研究と応用を促進することを目的に、1973年に設立された学会
第60回熱測定討論会(主催:日本熱測定学会※)は、京都府立大学 下鴨キャンパスで9月26日〜28日に開催され、全国の大学・研究所・企業等から熱測定に関係する様々な分野の研究者が集い、活発に討論が行われました。甘中さんが参加したポスター発表では86件の発表があり、審査対象となった発表の中から6件の発表に「京都北山賞(優秀ポスター発表賞)」が贈られました。

甘中さんが発表したテーマは、「熱量測定に基づく柔軟性金属有機構造体のCO2吸着機構解析」です。
高性能なガス吸着材料の開発は、カーボンニュートラルを実現する重要な課題の一つです。近年、CO₂を選択的に認識して吸着・分離することが可能な新たな材料として、「柔軟性配位高分子/金属有機構造体(PCP/MOF)」が注目を集めています。甘中さんらは最近、柔軟性PCP/MOFのCO2吸着プロセスを詳細に分析する方法として、「示差走査熱量測定(DSC)」を用いた新たな手法を考案、実証しています(2024年4月23日プレスリリース)。
今回発表した研究では、開発した新手法の広範な材料への応用を試み、材料ごとに異なるCO2吸着特性の差を明らかにすることをめざしました。その結果、骨格構造の異なる柔軟性PCP/MOFでは、CO2吸着プロセスに伴って観測される熱量変化に顕著な違いが見られることを見出しました。また、熱量変化を様々な分析条件で測定することで、CO2吸着プロセスにおける結晶構造の経時的な変化をより詳しく解析する新たな手法も提案しました。熱測定を固体材料のCO2吸着プロセスの解析に応用する独自の試みが高く評価され、今回の受賞に繋がりました。

甘中さんコメント
「CO2吸着特性の新たな熱力学的解析手法として、熱分析専門の先生方に高く評価していただけたことに、大変嬉しく思います。受賞できたのは、大谷先生をはじめ研究室の皆さんの協力があったからです。感謝申し上げます。今回の学会でいただいたアドバイスを参考にし、更なる吸着機構の解明と材料の高機能化に努めたいと思います」
※1969年に設立された「熱測定研究会」を前身とし、「熱測定」に関する科学および技術の研究と応用を促進することを目的に、1973年に設立された学会