学部、学科情報
【令和6年度以降】 学校教育専修
発達と教育連携領域
現代の教育が抱える複雑な課題の解決のためには、人間の成長・発達や教育という営みに関する根本的な知識・理解が必要です。加えて、科学的で実践的な課題探究の方法と態度の修得も重要です。これらについて『発達と教育連携』では、教育学や心理学の立場から、以下の3つの観点に立ち、連携・協働して問題解決にあたる力や教育実践力を身につけることを目指します。(1) 認知的・社会的発達や学習プロセス、それを支える多様な人間関係など、子どもたちの心を多角的に探究し、発達と学習を適切に援助していくための理論と方法を学びます。
(2) 学級内における教師や子どもの人間関係、学校の雰囲気や風土、学校と家庭や地域との関係、社会環境と子どもの歴史的な変容などについて、科学的な研究手法を通して学びます。
(3) 教育を支える組織的な活動や仕組み、教育に関わる法規や制度について学びながら、協働して取り組める教職員の養成を目指します。
学級経営・授業経営領域
教師には、様々な能力が求められます。教科の内容や教材などについて深い知識を持ち、質の高い授業ができることは勿論ですが、子どもたちにとってよりよい学びの環境をつくる学級経営をする力も必要です。また、教室で起こるできごとを正確にとらえ、すぐさま適切に対応する力、子どもの気持ちや行動の意味を理解し、寄り添う力、子どもの置かれた社会の状況についてきちんと理解していることなど、多面的で総合的な力を備えている必要があります。教職は同僚の教師たちと一緒に授業や行事を運営したり、保護者や地域の人々と協力して子どもの健全育成に取り組んだりなど、さまざまな人々と協同して行う仕事です。豊かなコミュニケーション力や、多様な人々と協力する力も求められます。
本領域では、学校現場に身を置き、教職大学院と連携した特色あるカリキュラムを通して、よりよい教育を実現する力、つまり、実践力を身に付けることができます。指導力の高い教師を目指して共に学びませんか。
道徳・進路・生徒指導領域
『道徳・進路・生徒指導領域』では、学校教育を多角的に捉え、(1)道徳教育、(2)キャリア教育、(3)生徒指導、(4)学校教育相談、(5)特別活動等の視点から、<1>規範意識や道徳性の育成をはじめ、<2>生徒指導上の今日的課題である不登校やいじめ問題等の予防及び対応と良好な人間関係づくり、<3>自死などの予防といのちの尊厳、<4>望ましい集団活動を通した社会性の育成、<5>児童生徒個々人のキャリア形成や生き方・在り方を考えるための指導や援助の方法などを探究し、専門的職業人として活躍できる教員を養成します。人文・社会領域(国語分野)
私たちは日本語をもちいて、表現し理解し、伝達し合っています。国語はすべての学びの基礎であると同時に、それ自体が大切な文化であるといえます。国語分野では、以下の専門領域にわたって学力を確実に身に付けるとともに、子どもたちのことばの学びが生き生きして、また深いものであるよう導く力を養います。〔国語学〕では、共通語から方言、古典に至る様々な日本語を取り上げて、日本語の音声や語彙、文法、文体を分析し、ことばそのものへの理解を深めます。
〔国文学〕では、近代文学や古典文学の講読や演習を通じて、作品世界を深く理解する方法や文学を学ぶことの意味や意義、体系について修得します。
〔書写書道〕では、筆記具の持ち方から、筆順を覚える理由、整った字のための規則などを学び、子どもたちが楽しく字が書けることを目指します。
〔国語科教育〕では、近年の教育課題に検討を加えながら、国語科の目標・内容・方法、教材研究・開発のあり方について学び、授業実践力を育成します。
人文・社会領域(英語分野)
小学校・中学校・高等学校における英語教育の実践力を養うとともに、英語によるコミュニケーション能力を育成します。英語科教育では、英語教育の理論と方法、実践的な英語授業づくり等について、多角的な視点から学びます。英語学では、英語の音声や文法についての基礎を学び、英語または第二言語としての英語の個別のテーマについて掘り下げて検討します。異文化コミュニケーションでは、会話等のインタラクションについて学び、多文化共生を支援し、異文化間コミュニケーション能力の育成を目指します。英語や異文化に興味がある方を歓迎します。人文・社会領域(社会分野)
社会科(地理歴史科・公民科)の授業に必要な、人文科学・社会科学・自然科学及び社会科教育(地理教育・歴史教育・公民教育)の諸領域について、それぞれの専門性を維持しつつ学際性にも十分留意した研究・教育を行います。とりわけ(1)社会認識の地理的多様性を認識しつつその歴史的変遷の軌跡をたどり、 (2)社会構造の解明にとりくみ、(3)これら研究成果と教育実践の有機的な関連づけを目指します。2年次から地理学、歴史学、法律学、政治学、経済学、社会学、哲学、倫理学、宗教学、社会科教育の授業を履修、3年次以降は各専門セミナーに所属、きめの細かい指導をうけ卒業論文を作成します。野外実習である地域調査法(地理学、歴史学)の開講、学内外での学校現場の社会科の先生らと連携した研究・教育活動が活発なことも特徴です。学生たちは小学校免許に加え中学校の社会、高等学校の地理歴史科・公民科の免許も取得し、卒業後、社会科という幅広い教科教育実践を得意とする学校教師として活躍しています。自然科学領域(数学分野)
「算数・数学の授業がすごく楽しい!」「算数・数学が苦手だったけれど、だんだん分かる(できる)ようになってきた!」そんな子どもの声が聞こえる授業を実践できる先生を育てます。そのために算数・数学教育学、代数学、幾何学、解析学のゼミに所属し、数学の本質的な面白さや数学がもつ教育的価値、そして子どもが算数・数学をどのように学ぶのかについての最新の教育理論を専門的に深く学びます。また、教育実習との有機的な関連を図りつつ、模擬授業等を通して授業実践力を仲間と一緒に切磋琢磨しながら高め合っていきます。これまで数多くの卒業生が、全国各地の小中高等学校の教員として活躍しています。数学や数学的な考え方に興味をもち、それを子どものために生かしたいと願っている皆さん、私たちと一緒に楽しく学びませんか。自然科学領域(理科分野)
私たちは、自然科学について広い視野と深い知識を身につけ、将来学校で、子どもたちが意欲を持って楽しく学べる授業ができる先生、子どもたちを大切にはぐくむ先生を育てることを目指しています。大学2年で『理科』に所属すると、色々な授業や実験・観察が始まります。3年生になると、研究室に配属されます。「理科教育」、「物理」、「化学」、「生物」、「地学」の5つの種類があります。3年生と4年生の2年間にわたってその研究室で卒業研究をします。この過程を通して、小中高等学校の理科の先生が身につける科学的リテラシーを学んでいきます。皆さんをお待ちしています。自然科学領域(情報分野)
『情報』では、子どもの学習場面に臨み、学ぶ過程を適切に把握することを通して、子どもが自己を確立し表現できるような教育活動を展開する授業を研究し、自らカリキュラムを創造し改善できる教員の養成を目指します。学習のあり方を追求することは、子どもたちの新たな世界の広がりと成長の可能性を見いだすことにつながります。とりわけ、情報教育(情報モラル教育を含む)、ICTを活用した教育やプログラミング教育、これらの教育において、子どもの学びの質を高める学習デザインなどに関する専門知と実践知を修得し、カリキュラム・マネジメントのできる資質・能力が身に付きます。
21世紀型スキルが求められる現代社会での、全ての学習活動の基礎となる、主体的・対話的で深い学びに向かう、子どもの人間性を育む教育実践を展開できる教員への成長を支援します。
芸術創造領域(音楽分野)
『音楽』では、子どもに音楽を好きになる気持ちを育み、豊かな感性を養える教員を育成します。その教員としての資質・能力を高めるため、作曲、声楽、ピアノ、管楽器などの実技と理論の両面を専門的に学べる授業を開講しています。特に、本学は日本の伝統音楽や世界の諸民族の音楽の楽器を数多く保有するなど、備品が充実しています。そして、指導法の授業では模擬授業などを通じて実践力を身に付けます。教員免許状は小学校の他に、ほとんどの卒業生が中学校・高等学校の音楽も取得しています。芸術創造領域(美術分野)
『美術』では、創造することの楽しさや、人と人とのかかわりにおける美術の役割について学ぶことができます。きめ細やかな指導と充実した施設・設備により、絵画、彫刻、デザイン、工芸、美術史・美術理論の専門領域と美術科教育を通して、学生自身が様々な表現方法を身に付けながらその意義を理解し、子どもたちのための教材開発、指導方法を学んでいきます。小学校などで子どもたちとかかわる造形活動や大学での授業はもちろん、美術館での作品鑑賞、作家や工房を訪れる研修、ワークショップなど、地域と連携した活動や海外大学との国際交流も行っています。生活・健康領域(保健体育分野)
『保健体育』は、将来、小学校における体育指導の中心的存在として、あるいは、中学校または高等学校の保健体育教科を担当できる専門的資質をもった教員の育成を目指しています。児童・生徒の活発な屋内外の遊びや運動は、運動能力、体力、体格の発達を促し、健康の保持増進に資するとともに、人間的な成長にとって極めて大切な情緒の安定、自己統制力、他者を理解し思いやる心などを育むことと深い関わりがあります。児童・生徒の人間的な成長や発達、人々の健康の保持増進を願う指導者にとって重要となる課題は、健康や運動についての正しい理解と適切な方法を修得し、実際の指導に結びつけていくことです。
『保健体育』では「運動学」「体育心理学」「解剖生理学」「運動生理学」「衛生学・公衆衛生学」「学校保健」「中等保健体育科指導法」「専門セミナー」などの専門科目の学修や研究を通して、学術的な運動の原理、健康の意味、体育の指導について理解を深めることができます。
生活・健康領域(技術分野)
『技術』では、生活に役立つ製品の設計・製作、コンピュータやネットワークの基本的構成、プログラミング技術を身につけ、それらを生活や社会に生かせる能力を持った生徒を育てる教員の養成を目指します。この目標のため、『技術』では、技術科教育学、木材加工学、金属加工学、電子・電気工学、機械工学、コンピュータ科学、栽培学(生物育成の技術)の学問領域に関して授業科目を用意しています。さらに、3年次から専門セミナーを受講し、専門的な知識を身に付け、卒業研究に取り組むことで実践力を養います。生活・健康領域(家庭分野)
『家庭』では、生活について自然・社会・人文科学の立場から総合的に学び、社会環境の変化に伴う複合的な生活問題に対応・解決できる専門的な資質・能力をもった持続可能な社会の創り手を育成することを目指しています。具体的には、家族関係学、生活経営学、保育学、被服学、食物学、家庭科教育学などを学び、専門セミナーでは授業で学んだことを総合化する力をみがくとともに専門的な知識・技能を深め、卒業研究につながるよう各々の課題に取り組みます。
「主体的・対話的で深い学び」が求められる今の教育現場では、その典型ともいえる家庭科の授業を魅力的・学術的に展開できる教員が強く望まれています。また『家庭』で身につけた確かな学力は、家庭科の授業のみならず、教科等横断的授業を進める際にもいかんなく発揮されることでしょう。『家庭』は、人の生活にかかわる様々なことがらや問題に興味と関心をもち、「学びたい」という意欲のある学生にとっては最適な教育・研究の場です。