空閑良壽×梶田隆章 特別対談「新時代に求められる人材」とは?


2015年、ニュートリノ振動の発見によってノーベル物理学賞を受賞した東京大学宇宙線研究所 梶田隆章教授。北海道新聞(令和5年11月26日掲載)の特別対談において、梶田教授と室蘭工業大学 空閑良壽学長に理工系大学を目指す若者に向けて研究活動の重要性、新時代に求められる人材について語り合っていただきました。

梶田先生の大学・大学院時代は?

梶田:大学時代は研究というより部活動に明け暮れていましたが(笑)、物理の授業に出ると高校時代の授業とは明らかに違う、物理学の本質のようなことを教えていただきました。大学時代は学問に直に触れて、将来自分がどういう方向に進むべきかを考える大切な時期だと思います。その時期を経て、私が本格的に物理学を研究しようと思ったのは大学院時代ですね。

理工系人材の育成における大学院の重要性とは?

空閑:私も理工系大学と大学院は切り離せない、一貫したイメージを持っています。本学では、教員たちの世界水準の研究力を基盤に「確かな研究力をベースとした教育力」を掲げて、学生たちが髪の毛一本分でもオリジナリティが出せるような研究環境を整え、高度な理工系人材の育成に力を入れています。現在、その人材育成のために、学部卒業生の大学院博士前期課程への進学率アップを目指した大学院教育の充実を行っています。


梶田 隆章 氏

梶田:私は大学院時代に小柴研究室に入ったことが研究者としてのターニングポイントになりました。カミオカンデ実験に参加できたことで自分に合う研究のスタイルに出会い、そこから研究に没頭していきました。また、課題を解決する力はもちろん、課題を自ら見つけ解決していく力も博士課程で身につけることができたと思っています。


空閑 良壽 学長

2015年、ノーベル物理学賞を受賞したお気持ちは?

梶田:ノーベル賞受賞は、大変栄誉なことだと思っています。受賞によって幸運にも注目していただくようになったので、日本の学術の発展のために研究の大切さを広く伝えていきたいと思うようになりました。日本の各地域にしっかりと研究と教育ができる国公立大学があることは極めて重要だと思います。そういう観点でも、室蘭工業大学は熱心に取り組んでいます。

空閑:北海道は少子高齢化や過疎化が進み、日本の社会課題を先取りしているところがあります。地方の理工系大学が地域の課題解決をしていくことが、日本、そして世界の課題解決につながっていくと信じ、地域からグローバルな方向へ向かうよう本学もさらなる強みを出していきたいと思います。

これからの先端AI人材育成は?

梶田:AIやデータサイエンスは、今後、どの分野においても必要不可欠な知識や技術になりますので、IT専門家の人材育成は論をまたないと思います。

空閑:空閑:これからの時代に求められる科学技術者の人材育成を目指し、2019年4月、本学は「工学部」から改組再編し「理工学部」を開設しました。さらに情報化の波を予見し、AIやデータサイエンスなどを学ぶ「数理データサイエンス教育プログラム」を全学必修化し、「情報」×「専門」の研究環境を実現しました。2024年4月には大学院の情報電子工学系専攻に「共創情報学コース」を開設し、産業界からも求められる人材育成を目指します。


理工系大学を目指す若い世代へのメッセージ

梶田:若い皆さんには、『将来、自分はこうなりたい』という夢をもっていただきたいです。その夢の中に、自然の謎を解き明かしたいという自然科学への夢を抱いたのであれば、迷わず大学、大学院で研究してください。自分の研究に心からの興味をもち、信念をもって追究していただきたいです。

空閑:私たちは皆さんの夢の実現を全力でサポートしてきたいと思っています。ぜひ室蘭工業大学に学びに来てください。

※北海道新聞等詳細は下記URLをご覧ください。
https://muroran-it.ac.jp/guidance/info/post-49919/