大学の特長、沿革・歴史

 
 サンテグジュペリの『星の王子さま』は,今も多くの人に読まれています。王子さまはキツネやパイロットと出会い,自分が独りぼっちじゃないと気づき,大人になっていきます。同様に,キツネもパイロットも,出会いを通して成長していきます。皆さん,非常に美しいキャンパスの鳴門教育大学で,「子どもの心と大人の知恵」を大切にする素晴らしい出会いがあることを願っています。

学長
山下 一夫(やました かずお)
  本学は,「21世紀におけるグローバル社会を主体的に生きる人間を育成し,文化の創造及び国家・社会の発展に貢献する大学-教育に関する高度な専門性と実践的指導力を身につけ,豊かな個性をもった教師を養成する-」をモットーに,21世紀に活躍する教員の養成を行っています。

  変化の激しい現代の学校教育において,教員には,子どもに「生きる力」や「自ら学び,自ら考える力」を育むことが強く求められています。この「生きる力」の育成という観点から,教員に必要な資質・能力としては,教員としての使命感と人間愛に支えられた豊かな教養,教育の理念と方法及び人間性に対する多面的な深い理解,教科の専門的知識が求められます。それとともに,変化する時代に対応できる具体的な資質・能力としては,地球的視野に立って行動する力,コミュニケーション能力,教科指導・生徒指導の知識や技能などが求められます。

 本学の目指しているものは,教科の内容を十分に指導できると共に,いじめや不登校,学級崩壊にも対応できる資質・能力をもった教員を養成することです。そのために,専門的知識を習得するだけでなく,実践力の強化に力を入れています。実践力を身につけるには,大学の勉強だけでなく,実際に子どもとふれあう機会を持つことが大切です。本学では,附属学校・園における教育実習に加え,鳴門市内の公立学校・園における教育実習も実施しており,十分な実践力が身に付くようにつとめています。

 また,大学院学校教育研究科(修士課程及び専門職学位課程)をもつとともに,兵庫教育大学大学院連合学校教育学研究科(博士課程)にも,構成大学として参加しており,学部を卒業した後,さらに教員としての資質・能力をたかめる環境も整っています。

鳴門教育大学の目標と今日的課題

目標

 21世紀に生きる人間として豊かな教養を培い,地球的視野に立って総合的に判断できる力量の形成に努めるとともに,教育者として子どもに対する愛情と教育に対する使命感を醸成し,教育に関する専門的知識を深め教育実践力を身につけることによって,専門職としての教員を育成することを目指す。


今日的課題

 鳴門教育大学は幼児教育及び義務教育の教員を養成する学校教育学部と主として現職教員に高度な研究・研鑽の機会を確保する大学院学校教育研究科をもち,学部と大学院を通じて教員を育成するための専門大学である。

 学校教育に携わる教員は子どもの育成に責任をもち,学校における教育課程に従って意図的計画的に教育活動を展開しているが,子どもの教育という重要性に照らして,先ずもって教員自らが幅広い人間性をたえず陶冶しなければならないのである。これなくしては子どもの人間形成に従事するための基本的な資質に欠けるものと言わざるを得ない。教員は優れた人間性を基盤として教育に関する専門的知識や指導力を身につけ,子どもの育成のために実践することを職務とする。子どもの育成に際してはたえず人間としての在り方についての探求を行い,より望ましい方向に子どもを導き高次の価値を得させることを目指している。

 子どもの教育は現代社会の状況の中で行われるものであるので,社会の変化やそれに伴う子どもの変化によって起因する様々な教育課題から教育活動を切り離すことはできない。そこで,真の教育活動を展開するためには現代社会の動向や子どもの心的状況を的確に把握し,それぞれが投げ掛ける課題を解決し得る能力の涵養が現代の教員に要請されていることに留意しなければならない。

 それでは先ず,現代社会の動向とそれによって起こされた教育課題とは何であろうか。

 20世紀後半からの世界的動向として,国際化,科学技術の進展,情報化等が加速しているが,他方,環境問題等の地球的問題群が噴出し,これらに対応した在り方や問題の解決が緊急の課題になっていることが指摘できる。大学審議会答申では21世紀初頭の社会状況を展望して「不透明な時代」と予想している。これは,社会の変化が進行し,事態は流動的であり必ずしも安定した時代は未だ到来しないであろうという見通しを示している。とはいえ,地球的規模での経済・文化交流は拡大し,国際社会はますます相互依存の度合いを深めていくであろう。他方,環境・資源・人口等の地球的問題群が深刻となり,それらの解決にあたっては国際社会の協力を必要とし,理念的には人間と人間,ないしは人間と自然との共生の考え方が大切になってくる。科学技術の進展や情報化の進展は新しい産業構造への変化をもたらし社会の発展に大きく資することになった。しかし,科学技術や情報科学と人間の心情や感性との調和を図ることに留意する必要がある。また,社会においては高い倫理性が要求されることとなる。

 このように変化の激しい社会において必要なことは,自ら課題を発見し自ら考え正しく判断して問題を解決することによって主体的に生きる力を身につけることである。それとともに,他人と協調し,他人を思いやる心や感動する心など豊かな人間性をもった社会の形成者を育成することである。そして,これからの人間は伝統的文化を継承するとともに新しい文化を創造する能力をもち,21世紀のグローバル社会を支え発展させるだけの力量を備えなければならない。

 大学審議会答申はこうした未来予測のもとにより豊かな社会を拓くため学術研究の進歩を促すとともに,学際化・総合化を図ることの必要性を指摘し,大学における『知』の再構築を提起している。

  この大学審議会答申はそのまま学校教育に当てはまるのである。すなわち,教育課程審議会は社会の国際化や情報化,科学技術の発達や環境問題等,現代社会の急激な変化に対して,主体的に立ち向かいこれら諸問題と人間社会や人間そのものとの関連について考え,これからの社会や人間の在り方を探究する態度を養う必要性を認識している。その結果,従来の教科,道徳・特別活動に加えて新しい教育活動として「総合的な学習の時間」を創設することを提起した。この教育活動では教科等の枠を超えた横断的・総合的な学習を展開することとなるが,これはまさに,“総合の知”を求める学習であると言うことができる。

 こうした知の総合化による問題の解決能力は,現代社会を生きる力として教育上重要な位置をしめることになってきたのである。

 他方,最近の子どもの行動の異変から起こる問題が大きくクローズアップされるようになり,新たな教育問題として解決がせまられていることに注目しなければならない。

  近年,子どもの生活や遊びの変化,身体の発達や心の変化に由来する問題,学校における「いじめ」・「不登校」などの「教育病理」,さらには校内暴力や学級崩壊などの「学校荒廃」等に教員一人一人がどのように対峙していくべきかということが問われている。これら教育問題の解決に当たっては教員が自ら胸襟を開き,子どもへの共感的理解を深め,子どもが心を開くまでねばり強く接近していくことが大切になる。そのために,精神や心理の科学的手法を応用したり,カウンセリングの心と技法を駆使するとともに,人間的な教育指導を伴う必要がある。

 また,学校において教員と子ども,子ども同士の好ましい人間関係をつくり,子どもに分かる授業を工夫することによって学級や学校が温かみのある教育環境となるように努力することが大切になる。また,学校は家庭や地域社会と連携を密にし,協力しながら子どもの育成を図るように留意しなければならない。

 現代の教員はこれまで述べたように現代社会の動向や子どもの状況が投げ掛ける諸問題に適切に対処できる資質・能力・心情を必要としているのである。学校教育においては大部分の時間を教科の授業に当ててきたが,複雑な社会や子どもの心的状況を視野に入れ,相互関連的に知をはたらかせ,心を交流させて問題を解決するための時間をいままで以上に取るように心掛けねばならない。

 したがって,教員養成に際しては,従来からの座学を主とする教育課程を改め,子どもとの触れ合いや教育実践を重視した教育活動に比重をかけ,教育課題を解決する能力を伸ばすようにすることが要請されている。

 鳴門教育大学は,学生を教員として育成するに当たって,人間教育の基本を踏まえながら上記のような社会や子どもの変化のもたらす今日的課題に応えることのできる教師を育てるためここに教育目標を設けることとした。
 教員には,教育者としての使命感と人間愛に支えられた豊かな教養,教育の理念と方法及び人間性に対する多面的な深い理解並びに教科・領域に関する専門的学力,優れた教育技術など,専門職としての高度の資質能力が強く求められている。

 本学は,このような社会的要請に基づき,主として現職教員に高度の研究・研鑽の機会を確保する大学院と,初等教育教員及び中学校教員の養成を行う学部をもち,学校教育に関する理論的,実践的な教育研究を進める「教員のための大学」及び学校教育の推進に寄与する「開かれた大学」として昭和56年10月1日に創設された新しい構想の国立大学である。昭和59年4月に大学院(修士課程)の1期生を迎え,学校教育学部の1期生が入学したのは,昭和61年4月である。
 鳴門教育大学は,日本の未来を背負う若者を育てる教員として,豊かな人間性と教育に対する使命感を育成し,教育に関する深い専門的知識と教育実践力を身に付けた「専門職としての教員」(小学校教員,中学校教員,高等学校教員,特別支援学校教員,幼稚園教員,保育士)を育成するため,次のような皆さんの入学を期待しています。

1.優れた洞察力と豊かな個性・行動力を持った人
2.教員を目指す上で十分な基礎学力を身に付けている人
3.知識や技能を活用して問題を探求し,志望する専修,コースの教科の課題を解決に向けて考察できる人
4.子どもの成長を喜び,将来,教員として子どもの教育に関わりたいという強い意志を持っている人
5.豊かなコミュニケーション能力を持ち,多様な人々と協働して様々な問題に積極的に取り組める人
6.教育に対する熱意と使命感を持っている人

入学者選抜方法
 上記のような人を求めるため,一般選抜(前期日程及び後期日程)と学校推薦型選抜(T型及びU型)により,各専修・コースごとに入学者の選抜を行います。
 教員になるために必要な資質と能力を多面的・総合的に評価する入学者選抜方法として,全ての受験者に面接を課すとともに,各専修・コースごとに小論文や実技検査を課す等,多様な入学者選抜方法により入学者の選抜を行います。

※選抜方法等詳細は下記URLをご覧ください。
https://www.naruto-u.ac.jp/e-ouen/02/001.html

お問い合わせ
教務部入試課学部入試係
電話:088-687-6133 ファクシミリ:088-687-6138 E-Mail:nyushigakubu@naruto-u.ac.jp