情報理工学域

情報と理工の融合により幅広い視野を持ち実践的な専門知識と革新的な想像力を養う

情報理工学域では、豊かで安全な社会の継続的な発展を支える「総合コミュケーション科学」の創出を担える人材を育成します。そのため、情報分野、理工分野はもとより、情報と理工の融合による学際分野において幅広い視野を持ち、実践的な専門知識と革新的想像力を養うことを目的に、教育体制が整備されています。1年次では全学共通科目を中心に情報学・理工学全般の基礎を幅広く学び、緩やかな括りである「類」、15の「専門教育プログラム」への配属を通して専門性を高め、各専門教育プログラムでは、大学院博士前期課程(修士課程)との一貫性に配慮したカリキュラムを編成しています。
「T類(情報系)」では、情報に関わる学問の基礎を広く学びます。情報を対象とする学問は多様であり、その領域は広範です。例えば情報それ自体を取り扱う学問には、情報の本質や実態を追究する分野、表現や加工、活用の技術や手法を開発する分野、また、情報の流通、収集、蓄積に関わる通信ネットワークの分野などがあり、それぞれが独立した学問として発展しています。一方で情報に関わるすべての学問は相互に影響し合い、情報化社会を支えています。
そのため次世代の情報化社会を先導する担い手には、専門分野のいずれかに軸足を置きつつ、ハード・ソフトの両面を理解し、複数の専門分野にまたがる広い視野をもつことが求められます。そこで「T類(情報系)」では2年次において情報に関わる分野全般に共通するコンピュータ、アルゴリズム、プログラムなどを学ぶとともに専門分野の基礎を身につけ、3年次からは「メディア情報学」「経営・社会情報学」「情報数理工学」「コンピュータサイエンス」「デザイン思考・データサイエンス」という教育プログラムのいずれかで、専門性を高めます。

I類(情報系)オリジナルサイト

教育プログラムの紹介

メディア情報学

情報学を基礎とした豊かで快適な情報メディア技術の創造と応用について学びます。映像、音響、触覚などの情報処理を用いた五感メディア、人工知能やエージェント技術を用いる知的メディア、人間の感情とメディアの関わりを探る感性メディア、メディアを駆使したコミュニケーションや芸術作品の制作など、多面的に学ぶことができます。

経営・社会情報学

経営・社会情報を活用して、多様な組織における運営、管理を創造的、効率的に実践するための方法論や技術を学びの対象とします。経営・社会情報の活用法を幅広く学び、経営・社会情報システムの設計や評価に取り組むとともに、ビッグデータ、G空間情報など情報の分析・解析・調査などを駆使する際に必要不可欠な統計学、数理モデル、多変量解析、コンピュータ技術などを習得します。

情報数理工学

物理現象、生命現象、経済活動、知的活動、社会システム、情報システムなど、現実世界の多岐にわたる現象の数理的構造を見抜き、モデル化し、コンピュータを用いて解析する技術を学びます。数値解析、高性能計算、シミュレーション、最適化、アルゴリズム解析、離散数理工学などの情報数理の基礎知識と応用力を身につけ、激変する社会の本質を見抜いて諸問題を創造的に解決する技術者育成を目指します。

コンピュータサイエンス

次世代情報化社会の創出を目指し、コンピュータとその利用に関する幅広い基幹技術と理論を学びます。カリキュラムには、コンピュータとネットワークのアーキテクチャ(設計の基本)や、ソフトウェアの解析・設計・制御手法などを学ぶ科目を配置しています。

デザイン思考・データサイエンス

デザイン思考・データサイエンスプログラム:ビッグデータから有意義な情報を抽出し、法則、関連性を見出しながらイノベーションを創出するために、データサイエンスに加えて、デザイン思考、システム思考、国際感覚、イノベーション・マインドについても学びます。ソフトウェアやハードウェアの「もの作り」体験を通して、実践的に問題解決能力を育成します。
本学が教育・研究の二本柱とする「情報」と「理工」では融合も進んでおり、「U類(融合系)」ではそうした新たな学問領域に進むための基礎を学びます。想定する具体的な分野の例としては「医用工学」「ロボティクス」「電力スマートグリッド」が挙げられます。「医用工学」は医学と工学を融合し、先端医療を牽引しています。例えば脳や内臓の状態を三次元画像として情報化するMRIには、画像技術、コンピュータ制御、エレクトロニクス機器などの技術が融合しています。また、へき地医療や在宅医療を支える遠隔医療など、通信・ネットワーク技術が深く関わる診療も実用化が進んでいます。
「ロボティクス」は、機械・電子工学に高度な知覚・制御・コミュニケーション・人工知能などの技術を集約し、その活用場面を生産現場から生活の場へと拡大し、日常的に人間とロボットが共存・協働する社会を実現しようとしています。「電力スマートグリッド」は、情報通信技術と電力技術を融合し、再生可能エネルギー利用を促進する技術として発展し、地球環境問題の解決に貢献することが期待されています。
「U類(融合系)」では、こうした異分野が融合した領域が目覚ましい発展を遂げる科学技術の最先端を学びます。3年次以降、「セキュリティ情報学」「情報通信工学」「電子情報学」「計測・制御システム」「先端ロボティクス」という5つの教育プログラムのいずれかで専門性を高めます。

U類(融合系)オリジナルサイト

教育プログラムの紹介

セキュリティ情報学

実世界のあらゆる情報を取り込み、処理する、高信頼、安全な社会基盤としてのインターネットや情報セキュリティの発展を目指し、「サイバー空間と実世界の安全性に対する脅威」に対抗する技術や管理・運用法、理論をハード、ソフトの両面から学びます。授業では、ハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク、ロボティクス、コンテンツ、暗号理論、情報理論、代数学などを総合的に学べる科目を配しています。

情報通信工学

未来の通信システムを構築するため、情報理論、通信理論、符号化技術、ネットワーク理論、暗号技術などの理論と、ワイヤレスや光情報伝送のためのシステム・デバイス・回路の基本設計法や通信ネットワーク設計・構築技術などを身につける科目を総合的に配しています。

電子情報学

現在の高度コミュニケーション社会を支える音響・画像・知能情報処理・電磁波伝送・宇宙電波観測・情報伝送ネットワークなどに用いられる電子デバイス、電子情報システムの基礎となる理論と手法について学び、さらにエレクトロニクスの基礎の上にプログラミングや電子回路などの実験・演習を行うことで、電子・情報・通信システムの開発に必要な基礎知識を習得するとともに実践的な応用力を身につけることができます。

計測・制御システム

計測・制御、信号処理技術を核として、家電・情報機器、自動車、航空宇宙機器、プラントなどの制御、高度レーダ計測機器や生体情報計測に基づく医療機器など、賢くて人間にやさしい先端システムの創出について学びます。また、これらの技術に基づいて人間の脳や身体の仕組み、働きを調べる手法について学ぶこともできます。

先端ロボティクス

人間社会と共存する新しいロボティクスを目指し、ロボットのメカニックと知的制御、人間の脳や筋電による機械の操作、知覚情報のセンシングと処理、ヒューマンロボットインタラクション、医用福祉ロボット技術などを学びます。
「V類(理工系)」で学ぶ領域に共通していることは、これまでにない新しい機能をもつ物質やデバイスの創造とそのメカニズムの起源を探究するとともに、人間と環境に調和するものづくりに貢献する学問分野であることです。従って、情報や融合分野の要素技術や、それらの発展を促進するさまざまな基盤技術を支えていると言っても過言ではありません。例えば情報科学に関しては、その発展に欠かせない新デバイスの設計や新材料の開発、より大容量のデータを高速かつ高精度で通信することを可能にする光の新技術開発などを担っています。もちろん、電子回路などのエレクトロニクスのほか、設計・生産、材料強度、熱流体現象に関する確かな知識と技術、そしてそれらの背景にある物理学の幅広い理解も求められます。
また、人間を含む動植物の生体機能を解明し、高度な機能を備えた化学物質を創製したり、その機能を産業に応用し発展したりすることも含む領域です。これらは人類の未来の開拓に不可欠です。そのため3年次以降、専門分野を学ぶ教育プログラムは、理工学全般の基盤となる「機械システム」「電子工学」「物理工学」を土台にして、近年目覚ましく進歩している「光工学」「化学生命工学」も対象としますから、広範かつ多様であることが特徴です。

III類(理工系)オリジナルサイト

教育プログラムの紹介

機械システム

機械設計における計算機支援、創造的加工法の開発、生産システムの自動化・高度化などに関する基盤技術、および材料の強度と破壊、熱と流体に関する物理と制御、計算力学と数値シミュレーションなど機械工学の基礎知識と解析手法を身につけます。

電子工学

電子素子(デバイス)の設計・開発を担う人材育成を目指して、半導体をはじめとする電子材料やデバイスの基礎から集積回路設計までをカバーするカリキュラムを用意しています。企業や研究所の研究開発現場で通用する電子工学の基礎力と実践的な応用力を身につけます。

光工学

光工学の基盤となる光波の基本的な性質や物質との相互作用を理解し、これらを用いた精密計測やレーザー技術、太陽光発電や光メモリを実現する光機能材料、光通信やロボティクスを支える光機能素子やディスプレイ装置など、光を用いた技術を幅広く学びます。

物理工学

物理学を基礎から体系的に幅広く学ぶことで、原子や原子の集団である金属、半導体、誘電体、磁性体などの固体をミクロな視点で理解し、理学的視点と工学的手法を身につけることで、新しい機能をもつ先端材料・素子(デバイス)の創造を目指します。

化学生命工学

自然界にある優れた生体機能や物質に学び、環境にやさしく、資源の循環や医療の向上に資する「未来型ものづくり」を担う人材を育成します。生体機能をもとにした電子・光・磁気機能材料や医療技術、バイオテクノロジーなどの開発に必要となる、化学と生物学を総合的に幅広く学びます。
先端工学基礎課程(夜間主課程)は、昼間働きながら総合コミュニケーション科学に関わる先端分野を学びたいという社会人のための課程で、平日の夜間と土曜日に開講しますが、昼間にある授業の一部も履修することができます。
1・2年次では、ものづくりマインドを育成しながら工学基礎を徹底して学びます。
3年次からは情報、メディア、通信、電子、機械、制御に関する専門科目を学びます。
産業界における技術的課題について、その内容を工学的に読み解いて解決手段を探し出すことができる基礎力とさまざまな分野への適応力を身につけます。

先端工学基礎課程オリジナルサイト
 
 

卒業・修了後の進路

進学状況

本学の卒業生の6割弱が、勉学と研究をさらに深めようと大学院へ進学しています。このうち、本学の大学院への進学者は9割強です。また、博士前期課程を修了した後、修士の学位を得て就職する学生も多く見られますが、更に専門的な学識を養うため修了者の1割程度の学生が博士後期課程に進学しています。

進路・就職状況

就職状況

大学で学んだ専門と密接に関連する分野を中心に様々な業種で活躍し、社会で高い評価を受けています。主な就職先は、エレクトロニクス・通信機器・コンピュータなどの製造業、情報処理関連の研究職・技術職など、理工系大学の特色を生かした広範囲の分野にわたっています。

主な就職先
本学では、試験科目が一部免除されるものも含めさまざまな資格の取得が可能です。また、情報処理技術者などの国家資格や検定試験による認定を得る学生・卒業生も多数います。

教員免許

所定の単位を修得することにより、中学校・高等学校教諭一種免許状を取得することができます。取得可能な免許状の種類は下記のとおりです。

【中学校・高等学校教論一種免許(数学)】
・T類 U類 先端工学基礎課程

【中学校・高等学校教論一種免許(理科)】
・U類 V類

【高等学校教論一種免許(情報)】
・T類 U類

注:変更になる場合がありますので、詳細は必ず学修要覧にて確認してください。


無線従事者資格試験と電気通信主任技術者資格試験(いずれも試験科目の一部免除)

無線従事者資格試験は無線設備を操作するために必要な知識および技能について行われる試験、電気通信主任技術者資格試験は第一種電気通信事業者等の伝送交換設備、線路設備に関する知識および技能について行われる試験です。
所定の単位を取得し卒業すると、下記の試験の一部が免除されます。

【第一級総合無線通信士】
・情報理工学域 U類 V類
・情報理工学部 情報・通信工学科、先進理工学科
・電気通信学部 情報通信工学科(昼間・夜間主コース)

【第一級陸上無線技術士】
・情報理工学域 U類 V類
・情報理工学部 情報・通信工学科、先進理工学科
・電気通信学部 情報通信工学科(昼間・夜間主コース)、電子工学科(昼間・夜間主コース)

【電気通信主任技術者】
・情報理工学域 U類 V類
・情報理工学部 情報・通信工学科
・先進理工学科
・電気通信学部 情報通信工学科(昼間・夜間主コース)、電子工学科(昼間・夜間主コース)

注:変更になる場合がありますので、詳細は必ず学修要覧にて確認してください。


特殊無線技士資格(申請により取得)

所定の単位を取得し卒業すると、下記の資格が申請により取得できます。

【第一級陸上特殊無線技士】
・情報理工学域 U類 V類
・情報理工学部 情報・通信工学科、先進理工学科
・電気通信学部 情報通信工学科(昼間・夜間主コース)、電子工学科(昼間・夜間主コース)

【第二級海上特殊無線技士】
・情報理工学域 U類 V類
・情報理工学部 情報・通信工学科、先進理工学科
・電気通信学部 情報通信工学科(昼間・夜間主コース)、電子工学科(昼間・夜間主コース)

【第三級海上特殊無線技士】
・情報理工学域 U類 V類
・情報理工学部 情報・通信工学科、先進理工学科
・電気通信学部 情報通信工学科(昼間・夜間主コース)、電子工学科(昼間・夜間主コース)

注:変更になる場合がありますので、詳細は必ず学修要覧にて確認してください。


施工管理技士(受検資格)

所定の単位を取得し卒業した後、一定の実務経験を積んだうえで、下記の受検資格が取得できます。

【建設機械施工管理技士】
・情報理工学域 U類 V類
・情報理工学部 情報・通信工学科、知能機械工学科、先進理工学科

【建築施工管理技士】
・情報理工学域 U類 V類
・情報理工学部 情報・通信工学科、知能機械工学科、先進理工学科

【電気工事施工管理技士】
・情報理工学域 U類 V類
・情報理工学部 情報・通信工学科、知能機械工学科、先進理工学科

【管工事施工管理技士】
・情報理工学域 U類 V類
・情報理工学部 情報・通信工学科、知能機械工学科、先進理工学科

注:変更になる場合がありますので、詳細は必ず学修要覧にて確認してください。