「BMC Pulmonary Medicine」に研究成果が公表されました

免疫関連肺臓炎の再燃リスク因子を同定

 本学医学部附属病院腫瘍センター 柄山正人講師、放射線診断学講座 五島聡教授、内科学第二講座 須田隆文教授(研究当時、現:理事・副学長)らの研究グループは、免疫関連肺臓炎(immune-related pneumonitis: irP)に対する6週間プレドニゾロン治療の臨床試験データを追加解析し、irPの再燃リスク因子を同定しました。
 irPは免疫チェックポイント阻害剤(immune checkpoint inhibitors: ICI)の治療においてしばしば発症し、時に重篤な経過をたどる重大な副作用です。免疫チェックポイント阻害剤治療の急速な発展に伴い、がん治療におけるirPのマネージメントの重要性は高まっています。irPに対しては一定期間のステロイド治療が行われますが、ステロイド治療後の再燃が多いため問題となっています。
 同研究グループは、2023年に静岡県内の15の共同研究施設と共に、irPに対するプレドニゾロン1mg/kg/日を6週間で漸減する(段階的に減薬していく)治療法を検討する世界初の臨床試験の成果を報告しました。本研究では、この臨床試験データを追加解析し、「胸部CTにおいて器質化肺炎パターンを呈すること」と「初回のirPの発症までの期間がICIの投与開始から100日以上であること」が再燃のリスク因子であると同定しました。
 本研究の成果から、再燃リスクを有する症例では、6週間以上のステロイド治療期間を検討するなど、irPの治療方針の個別化に寄与することが期待されます。

 本研究成果は、「BMC Pulmonary Medicine」に10月8日に公表されました。

論文情報

論文タイトル:
Risk factors for relapse of immune-related pneumonitis after 6-week oral prednisolone therapy: a follow-up analysis of a phase II study

DOI:
10.1186/s12890-024-03284-3

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