生物資源科学部環境共生科学科 吉岡秀和 助教らの研究成果が斐伊川漁業協同組合の広報雑誌「瀬音」第14号に掲載されました

 生物資源科学部環境共生科学科 吉岡秀和 助教らによる,斐伊川のアユや河川環境に関わる下記研究成果が斐伊川漁業協同組合の広報雑誌「瀬音」第14号8-9ページに掲載されました。

掲載記事
斐伊川でアユ・環境研究の新地平を切り拓く:吉岡 秀和(島根大学),濱上 邦彦(岩手大学),田中 智大(京都大学),辻村 元男(同志社大学),吉岡 有美・橋口 亜由未(島根大学)

 これは,島根県東部を流れる一級河川:斐伊川の上・中流域を中心として吉岡助教らが主導的に取り組んできた,数理的な接近手法に依拠する持続的な環境管理に関わる最新の研究成果について,専門家と非専門家の双方を対象として解説したものです。数理と聞くと高校や大学での授業科目などで「数学」や「応用数学」を連想し,苦手であるからと敬遠してしまう方も存在しています。しかしながら,数理に関わる様々な概念が私たちの身の回りの各所で活用されていることを決して忘れてはなりません。環境管理もその一例です。

 この記事では,アユの成長に関する実測データの分析と理論構築,土砂供給による糸状藻類の剥離に関する実験結果の考察,斐伊川にある最大のダムである尾原ダム下流域における水の流れシミュレーションについて,独自の研究成果が紹介されています(図1)。また,記事の中では一見して全く異なる研究分野間の知見が,数理科学という共通点を介して思わぬところで繋がり得ることが強調されています。例えば,Wright-Fisher方程式と呼ばれる生物進化や金利・中古品価格の変動を表現する方程式が,アユの成長の数理的記述において大きく役立つことが述べられています。数理的な知見があって初めて,想像もつかないような方法論を見出すことができます。

 さて,2020年からの10年間,すなわち今この時は持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)を達成し人間が環境と共存していくための「行動の10年」です。斐伊川では,今後も継続されるであろう土砂還元やダム上流での水力発電所の再稼働等,極めて大きな変化が生じつつあります。今回紹介した以外にも,水質分析や経済解析等,様々な研究が進められています。今後も,数理科学の観点を交えながら人間と環境の共存に資する研究が継続される予定です。

斐伊川漁業協同組合HP.「瀬音」掲載ページ
https://www.hiikawafish.jp/archives/category/seoto
吉岡助教らによる過去の電子版記事(第8号-第13号に掲載)も上記リンクから無料で閲覧ならびにダウンロード可能です。


図1:2020年における斐伊川で採捕されたアユの体重についての実測結果(白丸)ならびに理論解析結果(線)。理論解析結果が実測結果と整合的であることが見て取れる。斐伊川漁業協同組合より図の掲載許可を取得済み。

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