本学の特色
高度技術者・先導的人材の育成
高等専門学校からの学生を主な受入対象としつつ、高等学校(普通科、工業科、総合学科)卒業生を1年次に受入れ、学部・大学院一貫教育により、優れた技術開発能力を備え、我が国の産業を牽引する高度な技術者、さらに、広い視野と柔軟な思考力、豊かな学識を備え、グローバル時代を切り拓く研究開発能力を有する先導的な人材を育てています。社会産業構造の変化、グローバル化時代に対応し、未来を見据えた新たな教育研究組織の再編
基幹産業を支える先端的技術分野と、持続的発展社会を支える先導的技術分野を2本の柱とし工学部・大学院工学研究科が構成されています。また、高い専門性に加え、幅広い視野を持ち、社会の変化に柔軟に対応できる技術者を養成できるよう、教養教育を総括する総合教育院を設置しています。特色ある教育(らせん型教育、実務訓練)
教育の大きな特徴は「らせん型教育」にあります。学部1・2年次及び高等専門学校において一定の技術教育(基礎・専門)を学んだ学生に対し、3年次以降で、より高度な基礎・専門を繰り返して「らせん型」のように積み上げていく教育を行います。学部4年次(大学院進学前)には、産業界での実務訓練を履修し、実社会における技術者としての問題への取り組み方を学生のうちから体験することにより、博士前期課程における実践的・創造的、指導的技術者となるための高度な教育の意味を理解していきます。
このように、基礎・専門を繰り返し、社会での実践教育により、科学を理解し、技術に強い関心を持つ学生を育てることが本学の特色です。
大学院に重点を置いた教育体系
産業界の工学系学生の採用は大学院修了生に比重を移しています。本学では、大学院博士前期課程の定員を多く設定することで、相応しい能力を持つ学生に広く門戸を開き、学部・大学院一貫教育による高度な研究活動に注力した教育を推進しています。研究大学(基盤を支える研究、先端分野の研究)
世界水準の優れた研究活動を行う大学として、研究大学強化促進事業(2013〜2022年度)の選定大学として、研究大学促進事業費の支援を受けています。電気電子工学や情報学を基盤とした先端融合研究創成分野、機械工学や材料工学などの基幹産業を支える実践的技術分野、応用化学・生命工学関連分野などの先端的な研究を推進するとともに、分野の垣根を越えた、これまでの課題解決型工学から、新しい価値を創造する価値創造型工学に進化した異分野融合イノベーション研究を推進する拠点形成を目指しています。
高等専門学校との連携
本学は、高等専門学校卒業生の受け皿として開設された経緯から、全国57校(国立51校、公立3校、私立3校)の高等専門学校との教育・研究面での深い連携の下で技術系人材の養成に力を入れています。高等専門学校教員との教育・研究交流を推進するとともに、本科4・5年次および専攻科生に対する体験実習および研究を通じた実践的協働教育を進めています。また、編入学生に対しては、高等専門学校における教育課程と接続性の高い教育の提供を目指しています。2020年度からは、高等専門学校専攻科と連携して技術実装力の高い地域人材育成を目指す「連携教育プログラム」を開設し、高等専門学校との連携を通じて地域を支える人材育成にも貢献しています。活発な国際交流
本学は「世界に開かれた大学」として欧州、米国、アジアの交流協定校との連携や海外拠点(マレーシア・ペナン州)の活用を通じて、日本人学生の派遣、外国人留学生の受入れ、国際共同研究・人材交流を積極的に推進し、これからの世界を支えるグローバル人材の育成に力を入れています。なかでも文部科学省スーパーグローバル大学創成支援事業「『グローバル技術科学アーキテクト』養成キャンパスの創成」では、バイリンガル講義や多国籍居住空間「グローバルハウス」などのグローバルキャンパス構想や、多文化共生を体現できる「グローバル技術科学アーキテクト」の養成など、グローバル化に向けた抜本的な大学変革を進めています。
また、近未来クロスリアリティ技術を牽引する光イメージング情報学国際修士プログラム (IMLEX)」が、文部科学省とEUによる初の共同公募事業(大学の世界展開力強化事業)に採択され、日-EU共同大学院教育プログラムとして2020年度から始まりました。このプログラムでは次世代のクロスリアリティ技術(仮想現実や拡張現実などの総称)を創造し、操り、応用できるグローバル人材の育成を目指しており、本学とヨーロッパの東フィンランド大学(フィンランド)、ルーヴェン・カトリック大学(ベルギー)、サンテティエンヌ ジャン・モネ大学(フランス)の4大学とグローバル企業による国際産学連携コンソーシアムによって運営されています。
この他、シュトゥットガルト大学(ドイツ)や東フィンランド大学(フィンランド)とのダブルディグリー・プログラム、マレーシア科学大学(マレーシア)やモンゴル科学技術大学(モンゴル)とのツイニング・プログラム、海外実務訓練などを通じて、海外に開かれた大学としての取り組みを実践しています。
多様な産学官連携と地域社会との連携
開学以来、企業との共同研究等を通じ、産学連携拠点の形成を使命の一つとしており、教員1人当たりの民間企業との共同研究費の受入額は、2019年度で全国2位、ここ数年においては全国の大学の中で常に5位以内です。また、特許出願件数や特許権実施等収入も多く、地域産業界との連携が活発です。全学の「知」を結集し、愛知県をはじめとする周辺地域が抱える課題の解決対応事業や「集積回路(LSI)技術講習」、「最先端植物工場マネージャー育成プログラム」及び「東三河防災カレッジ」などの実績を活かした社会人向けの実践教育プログラムを推進しています。また、周辺地域との連携を強め、新たな人材育成・社会人教育プログラムの開発にも取り組んでいます。