第 69 回 日本寄生虫学会・日本衛生動物学会北日本支部合同大会において,共同獣医学課程5年生,同6年生が学会賞を受賞しました
第 69 回 日本寄生虫学会・日本衛生動物学会北日本支部合同大会(10月14日(土):東北大学)において,原虫病研究センター所属の学生2名が学会賞を受賞しました。共同獣医学課程5年の末永羅綺さん(指導教員:福本晋也准教授)が若手奨励賞を,同6年の水野寛太さん(指導教員:白藤梨可准教授)が北日本支部合同大会長賞を,それぞれ受賞しました。
末永さんの発表演題は,「Entamoeba invadensの感染はウミガメ飼育におけるリスク要因となる」です。
沖縄県美ら海水族館で死亡した幼齢アカウミガメ・アオウミガメ群からアメーバ様の原虫が検出されました。末永さんは,分子生物学的解析・病理学的解析により,検出原虫がウミガメの死亡リスク要因であるか検討しました。その結果,爬虫類の常在原虫であるEntamoeba invadensが腸管深部組織に寄生していたことが分かりました。
ウミガメは,孵化してから性成熟までの生存率が野生下で約0.02∼0.1%と著しく低い生物で,この傾向は飼育下でも同様に見られるため,本研究の成果は,ウミガメ保全・飼育施設における幼齢期の死亡リスクの軽減,飼養管理向上に繋がると期待できます。
末永さんは「多くの時間を割いて丁寧な添削や指導をしてくださった福本先生をはじめ,たくさんのアドバイスや励ましをくれた研究室の仲間,そして貴重なサンプルの提供や状況調査に快くお引き受けくださった美ら海水族館の皆様に,心より感謝しています。研究はたくさんの協力があってこそ成り立つものであり,学会はその成果と感謝を伝える場であることを強く実感しました。」と受賞の喜びを語りました。
また,水野さんの発表演題は,「フタトゲチマダニにおけるImmune Deficiency(IMD)経路構成分子の探索とBabesia ovataに対する免疫機能について」です。
マラリア原虫を媒介する蚊では,免疫シグナル伝達経路であるImmune Deficiency(IMD)経路が原虫の増殖を阻害しますが,マダニの原虫に対する免疫応答は不明です。水野さんは,マダニが媒介するバベシア属原虫はマラリア原虫と系統的に近縁であることから,マダニ体内におけるバベシアに対する免疫応答としてIMD 経路が存在するのではないかと仮説を立て,その検証を行いました。
その結果,バベシア感染時のマダニ体内では,IMD経路関連遺伝子p47が関与する免疫応答が起こることを見出しました。抗バベシア応答を示すマダニ因子の探索により,バベシア媒介を阻害する技術の考案に繋がると期待されます。
水野さんは「日々ご指導いただいている先生方のおかげでこのような素晴らしい賞を頂くことができました。本当に感謝しています。これまでの積み重ねが結果となって表れて,とても嬉しいです。この研究がマダニの生態理解や防除に貢献できればと思っています。」と受賞の喜びを語りました。
受賞した末永さん
受賞した水野さん
末永さんの発表演題は,「Entamoeba invadensの感染はウミガメ飼育におけるリスク要因となる」です。
沖縄県美ら海水族館で死亡した幼齢アカウミガメ・アオウミガメ群からアメーバ様の原虫が検出されました。末永さんは,分子生物学的解析・病理学的解析により,検出原虫がウミガメの死亡リスク要因であるか検討しました。その結果,爬虫類の常在原虫であるEntamoeba invadensが腸管深部組織に寄生していたことが分かりました。
ウミガメは,孵化してから性成熟までの生存率が野生下で約0.02∼0.1%と著しく低い生物で,この傾向は飼育下でも同様に見られるため,本研究の成果は,ウミガメ保全・飼育施設における幼齢期の死亡リスクの軽減,飼養管理向上に繋がると期待できます。
末永さんは「多くの時間を割いて丁寧な添削や指導をしてくださった福本先生をはじめ,たくさんのアドバイスや励ましをくれた研究室の仲間,そして貴重なサンプルの提供や状況調査に快くお引き受けくださった美ら海水族館の皆様に,心より感謝しています。研究はたくさんの協力があってこそ成り立つものであり,学会はその成果と感謝を伝える場であることを強く実感しました。」と受賞の喜びを語りました。
また,水野さんの発表演題は,「フタトゲチマダニにおけるImmune Deficiency(IMD)経路構成分子の探索とBabesia ovataに対する免疫機能について」です。
マラリア原虫を媒介する蚊では,免疫シグナル伝達経路であるImmune Deficiency(IMD)経路が原虫の増殖を阻害しますが,マダニの原虫に対する免疫応答は不明です。水野さんは,マダニが媒介するバベシア属原虫はマラリア原虫と系統的に近縁であることから,マダニ体内におけるバベシアに対する免疫応答としてIMD 経路が存在するのではないかと仮説を立て,その検証を行いました。
その結果,バベシア感染時のマダニ体内では,IMD経路関連遺伝子p47が関与する免疫応答が起こることを見出しました。抗バベシア応答を示すマダニ因子の探索により,バベシア媒介を阻害する技術の考案に繋がると期待されます。
水野さんは「日々ご指導いただいている先生方のおかげでこのような素晴らしい賞を頂くことができました。本当に感謝しています。これまでの積み重ねが結果となって表れて,とても嬉しいです。この研究がマダニの生態理解や防除に貢献できればと思っています。」と受賞の喜びを語りました。
受賞した末永さん
受賞した水野さん