アドバンス制教育課程
知識と経験の基礎づくりから農畜産分野の専門家を育む
アドバンス制とは,下級学年では大学で学ぶための基礎となる幅広い知識や技術,農畜産全般の基礎知識を中心とした学習を行い,上級学年に進むにつれて獣医農畜産の特定の分野の深い専門知識・技術の学習へと前進〈アドバンス〉していく教育課程のことをいいます。とくに畜産科学課程では,入学時には上級学年で学習する専門分野を決定せず,農畜産のさまざまな分野についての基礎知識を学習し,理解を進めながら,それぞれの学生が自主的な判断で自分の学ぶ専門分野を選択していくという方式をとっています。
本学のアドバンス制の教育課程は,以下の「基盤教育」「共通教育」「展開教育」の3つの教育分野からなっています。
基盤教育
広義の教養教育であり,入学生の学習行動を高校教育から大学教育に転換し,大学で学ぶための基盤を形成するとともに,社会人,職業人として生きるために必要な力を育成すること〈人格教育〉を目的としています。基盤教育は,さらに3つの分野に区分されます。学ぶ基盤
高校教育から大学教育への転換教育を行うとともに,農畜産の専門教育の基礎となる自然科学系科目群主体の基礎知識と技術を育成します。生きる基盤
学生がひとりの社会人,職業人として生きるために必要な幅広い教養と世界の文化を学ぶことで,さまざまな状況に対応して主体的に考え行動する力を育成します。共通基盤
外国語を学ぶことで,必要な基礎語学力を有するだけでなく,言語を通じてさまざまな社会や文化を理解できる力を育成します。共通教育
共通教育は,課程や専門にかかわらず必要な幅広い農畜産の基礎知識や体験を身につけるなかで,目的意識や職業意識を育て,自分が専門とする獣医農畜産の特定の分野の主体的な選択と学習の基礎を作ることを目的としています。共通教育は,さらに2つの分野に区分されます。基礎科目
幅広い農畜産関連の基礎知識及び技術を教育するとともに,獣医農畜産の専門分野を超えて必要となる基礎科学分野の知識を育成します。食の安全確保と「命の大切さ」を知るために
全学農畜産実習(共同獣医学課程では「農畜産演習」)は,「Farm to Table」に対応した広い視野の知識を提供するため,平成26年度入学者から全学農畜産実習と連動した「農畜産科学概論T〜Y」を必修科目として開設し充実を図りました。また,これらの科目は本学新入生(共同獣医学課程・畜産科学課程)が全員参加するカリキュラムとなっており,実際に「作物栽培」「乳肉食品生産」「家畜管理」を通して「生命を育み生命を食す」ことの大切さ,難しさ等を体験します。これに参加することで農畜産の知識と体験を得て,専門職業人としての必要な見識を培うことができます。
発展科目
幅広い農畜産関連の専門知識及び技術を教育するとともに,獣医農畜産の専門分野を超えて必要となる専門分野の知識を育成します。展開教育
展開教育では,学生の目的意識や進路に応じた,現場に密着した多様な専門職業教育を提供します。展開教育には,共同獣医学課程1ユニット,畜産科学課程6ユニットの「教育ユニット」が置かれています。
畜産科学課程では,1年次が終わるときに学生が自分の進路や興味に合わせて所属する教育ユニットを選択する方式をとっています。ただし,各ユニットには分属定員があり,希望者が定員を上回ったときは,1年次終了時の成績によって決定します。このため,成績によっては希望しないユニットに分属になることもありますので心得ておいてください。
また,ユニットのなかには,分野に応じた履修モデルを設けているものもあります。この場合,ユニットの必修科目以外に,分野ごとに必要とされる科目を履修指導科目として指定しています。