外国語学部

グローバルとローカルの境界を超えて、新たな社会の創り手・担い手をめざす

 外国語学部は、国立2大学、公立3大学、そして数十に及ぶ私立大学に置かれている(2021年3月現在)、日本では歴史ある学部の一つです。外国語学部の基本的な教育目標は、高度な外国語運用能力を有する職業人や教養人を送り出すことにあると考えられてきました。今も、その原則に変わりはありません。

 しかし、最近では、英語教育が小学校まで導入される一方で、AI(人工知能)による自動翻訳の技術が日々進歩しています。そうしたなか、大学で外国語を専門的に学ぶことの積極的な意義は何でしょうか。

 グローバル化の進行とともに、世界的にリンガ・フランカ(共通語)として英語を話す人が増えました。英語が使われる多様な場面に参加できるよう英語力に磨きをかけることは、今日でも、外国語学部における学修の目標の一つといえるでしょう。しかし、本学部にはそれを大きく超えるものがあります。

 世界の文化的な多様性を知り、異なる価値観の間を繋ぐには、英語とともに他の外国語を話せることが重要な意味をもちます。言語は、コミュニケーションの道具であると同時に、コミュニケーションの中身や背景を表すものでもあるからです。みなさんなら、何語を選ぶでしょうか。

 人文・社会科学分野のほとんどの領域をカバーし、言語を切り口として、自由に自分の関心分野を深めることができるのも、外国語学部の大きな特徴の一つです。専門分野の細分化が顕著な現代にあっては、自己の成長プロセスに重ねて学びを選択できる場所は、けっして多くありません。

 世界の主要言語の多くが修得でき、学びながら自分の専門性を築くことができる。愛知県立大学外国語学部は、そうした自由な人づくりと啓発の場であろうと努力しています。
▼学科
高度な英語運用能力を駆使して、世界につながる未来を切り拓く。

 英米学科は、1966年の開設以来、実践的英語力を身につけた、英語圏の文化・社会に対する造詣の深い人材を育成し、多方面で活躍する卒業生を輩出してきました。現在もこの伝統を保ちつつ、高度情報化時代に対応できるグローバル人材の育成に取り組んでいます。

 現在、英米学科では、英米を中心とする英語圏の社会、政治、経済、歴史、文学、文化、言語、およびコミュニケーションについて、専門的かつ系統的に学ぶことが可能になっています。英語のタイトルのついた専攻言語科目は全て英語で授業が行われる他、研究各論を含めた講義も一部は英語で行われ、日本にいながらにして擬似留学環境を体験できます。

 英米学科では、2023年度以降に入学する学生から全体的にカリキュラムを変更する予定です。これに伴い、EICコースは一定の科目を修得したり、語学要件や成績要件などを満たした人に修了証が授与されるプログラムへ変更する予定です。
ヨーロッパの社会的文化的中心であるフランスを出発点に、アフリカを始めとして全世界に拡がるフランス語圏を見通す

 フランスは、中世以来、ヨーロッパの文化・文明の中心の一つです。現在も、ドイツと共にEUを牽引しながら、世界第5位の経済大国として、国際社会の発展に寄与し続けています。そしてフランス語は、フランス本国だけでなく、ベルギー、スイス、カナダ、アフリカ諸国等の公用語であり、国連を始めとする多くの国際機関や、ファッション、スポーツ等の多彩な分野で、共通語として用いられています。特に、今後の世界で政治的経済的に最も重要な存在になるであろうアフリカ諸国においては、実は英語以上に、広く用いられている言語なのです。フランスと日本の関係に目を転じれば、2017年のフランスの対日直接投資残高は、アメリカ、オランダに次いで世界第3位です。逆に日系企業の約490社が、フランスに約740拠点を設置しており、そのうち愛知県内の企業は37社、57拠点にも上ります。

 フランス語圏専攻では、少人数クラスでフランス語のエキスパートを目指します。同時に、「言語・文化コース」と「社会コース」で専門的にフランス語圏の文化・社会を学び、国際的な舞台で活躍し、かつ地域社会にも貢献する、「真のグローバル人材」を養成します。
実践的なスペイン語力およびスペイン語圏とブラジルに関する専門知識を修得し、ポルトガル語も学べる

 スペイン語は世界20の国・地域で使われ、その人口は4億人。また、ポルトガル語を公用語とするブラジルの人口は2億人超。日本国内では約28万人のスペイン語・ポルトガル語圏出身者が暮らしており(ブラジル人が20万人)、両言語の重要性は国際社会だけでなく地域社会の中でも高まっています。本学のスペイン語圏専攻では、こうした社会のニーズにも対応できるよう、実践的なスペイン語力およびスペイン語圏やブラジルに関する専門知識をみにつけ、ポルトガル語も修得することができます。

 なお、スペイン語圏専攻は2023年度よりスペイン語・ポルトガル語圏専攻に変わります。
EUで最も母語話者の多いドイツ語の習得 日本と共通する社会的課題の理解「共生」に貢献できるグローバルな視点

 ドイツ連邦共和国は世界第4位の、EUで最大の経済大国であり、日本にとって主要な貿易相手国の一つです。自動車産業をはじめとして、愛知県にとっても経済的に重要なパートナーです。ドイツ語圏と日本との間には、多文化共生、環境保護、エネルギー政策(原発問題)、少子高齢化社会など、共通する課題が多くあります。これらの解決のために、ドイツ語圏の実情について学ぶことはとても意義があるのです。ドイツ語の母語話者数は1億人を超え、母語話者数の多い10言語のうちの一つであり、EUで最も母語話者数の多い言語です。ドイツ語の学習者は、英語の次に多く、現在、世界中で1700万人います。ドイツ語は、ドイツ文化・社会を学ぶ上で、また国際的なコミュニケーションにおいて必要不可欠な言語なのです。ドイツ語圏専攻では、1クラス20名弱でドイツ語の少人数教育を行っています。あなたも、さまなざまな角度からドイツ語圏の文化と社会を学び、グローバルな視点から国際社会・地域社会における「共生」に貢献できるのです。
高度な中国語運用能力と中国語圏・アジア諸地域に関する分析力を身につけます。

 21世紀はアジアの時代です。その中でも、中国語が使用される中国語圏は、世界で最も経済発展が著しい地域の一つです。したがって、アジアを舞台として活躍するためには、外国語に堪能であるばかりでなく、中国語圏についての異文化理解能力と、国際的視野に立った判断力を持つことが必要です。

 この学科では1年次から中国語の基礎を学びはじめ、中国語の学習と並行して中国の言語・民族・文学・文化・歴史・社会・政治・経済について専門的に学びます。2年次後期からは「翻訳・通訳コース」も開設され、ビジネス、観光、医療・福祉の科目やネイティブによる「中国語原語特殊講義」科目を必修にすることで、中国語のさらなるレベル向上を目指します。3年次以降はゼミに所属して指導教員のもとで中国語圏の研究を深めます。

 中国学科は、中国語圏さらには中国語圏を基盤としたアジア諸地域を研究・教育の主な対象とし、今後日本との交流がますます盛んになる中国・アジア地域に向き合い、優れた異文化理解能力と国際的判断力を発揮することができる人材の育成を目指しています。
グローバル・イシューと多文化共生を見据えて

 今、国際社会は混沌の中にあると言ってよいでしょう。ヒトやモノの国境をこえるダイナミックな移動が当たり前になる中で、「自国中心主義」的な動向や価値観の対立により、政治や経済の様々な局面できしみが目立ちます。世界の各地で宗教的な対立が起こり、民族紛争も絶えません。

 国際関係学科は、個々の国家や社会の特徴をミクロなレベルから観察する一方で、それらの間の関係をマクロなレベルから考察して、より広く、より深く世界を観察、分析できるようになることを目標としています。

 国家間の関係がどのようなものなのか、政治・経済・法律などを中心に考えたい人のために「国際関係コース」が、ある国家や特定の地域がどのような文化的背景をもっているのか、民族構成や言語・文化の観点から考えたい人のために「国際文化コース」が用意されています。

 複数のネイティブ教員を中心に、充実した英語教育をおこなう一方で、世界のさまざまの国や地域に目を配り、Think globally, Act locally を実践する人材を育てます。

 みなさんが社会に出て、問題解決のために努力するときに、大学で学んだことが役に立つ-そんな学科をわたしたちは目指しています。