沿革と理念

愛知県立大学の源は、1947(昭和22)年に設置された愛知県立女子専門学校に遡ります。第二次世界大戦後の混乱の時代から立ち上がろうという県民の意欲が、国文科、英文科からなる女子専門学校の設置を促しました。その後、専門学校の女子短期大学への改組が行われる一方、1957(昭和32)年には4年制の愛知県立女子大学が設置され、両大学相まって、中部地方の女子高等教育の名門として優れた人材を養成してきました。そして、1966(昭和41)年、文学部、外国語学部、外国語学部第二部の3学部9学科からなる男女共学の愛知県立大学として新たな出発を遂げることになります。 1998(平成10)年に、キャンパスを名古屋市内から長久手市の東部丘陵地帯の一角に移し、施設・設備を一新しました。この年に、初めての理系の学部として情報科学部を設置し、文学部ならびに外国語学部の学科の充実を図るとともに、大学院国際文化研究科を設置しました。2002(平成14)年には大学院情報科学研究科の新設も実現しました。以来、国際化、情報化、福祉社会化、生涯学習社会化への対応を教育・研究の理念として、有為な人材を愛知県内外に輩出し、また公立大学として地域の発展への貢献を目指してきました。
一方、愛知県立看護大学は、1968年(昭和43年)に設置された愛知県立看護短期大学に遡ります。1989(平成元)年に愛知県下27の看護婦養成機関の長より出された大学設置の請願が県議会で採択され、これを受けて「看護大学設置検討会(後に看護大学整備推進会議)」が発足し、1995(平成7)年に4年制の大学として開学するに至りました。  開学以来の看護大学は、人間性を尊重した看護教育、人々の暮らしと地域を守る看護職者の育成をモットーに、また科学的思考と科学的問題解決能力の育成を教育目標に、多くの看護人材を養成してきました。さらに、1999(平成11)年には大学院看護学研究科看護学専攻修士課程、2003(平成15)年には助産師課程を設置し、また2007(平成19)年に大学院修士課程に高度専門職コース、2008(平成20)年には看護実践センターに認定看護師教育課程(がん化学療法看護、がん性疼痛看護)を設置して看護実践の高度化・専門化にも対応しながら、今日に至ります。
2007(平成19)年4月より、愛知県立大学及び愛知県立看護大学は、愛知県公立大学法人が設置・運営する大学へと設置形態を変更しました。そして、2009(平成21)年4月、両大学は統合し、同時に旧県立大学の学部・大学院を再編成し、5学部4大学院研究科から構成される新しい大学として再出発することになりました。  愛知県立大学は、母体となったふたつの大学の良き伝統を継承しつつ、文系、理系双方の学部を擁する複合大学のメリットを生かして、以下の理念のもとに教育・研究を進めます。

1.「知識基盤社会」といわれる21世紀において、知の探求に果敢に挑戦する研究者と知の獲得に情熱を燃やす学生が、相互に啓発し学びあう「知の拠点」を目指す。

2.「地方分権の時代」において、高まる高等教育の需要に応える公立の大学として、良質の研究とこれに裏付けられた良質の教育を進めるとともに、その成果をもって地域社会・国際社会に貢献する。

3.自然と人間の共生、科学技術と人間の共生、人間社会における様々な人々や文化の共生を含む「成熟した共生社会」の実現を見据え、これに資する研究と教育、地域連携を進める。