名古屋工業大学憲章
本学は、明治38年に官立の名古屋高等工業学校として創設され、百余年の間、7万人を超える優れた人材を輩出し、我が国の産業社会の礎を築きその繁栄を支えてきた。
本学は、次の100年に臨み、伝統とその強みを活かしながら一層個性輝く自立性に富む大学を目指すため、全構成員の道標として依って立つべき処を名古屋工業大学憲章として制定する。
本学は、我が国最大規模の産業集積地に立地する工科系国立大学として、創設以来、決して学術的な孤高に陥ることなく、常に社会と産業界の要請に応え、数多くの優れた学術・技術の創出と有為な人材の教育に尽力してきた。設立当時の地域産業の要請のもとに土木科・機械科・建築科・機織科・色染科の5学科により創設された本学は、その後の時代の要請とともにその分野を拡充し、今日では工学のほぼ全分野をカバーする国内屈指の規模を誇る工科系大学となり、広く社会に貢献している。本学の卒業生は各界において活躍し、特に産業界においては、多くの卒業生が経営陣として、また中核的な技術者や研究者として高い信頼を受けつつ活躍している。
本学の使命には、その設立の経緯より、おのずから一般の総合大学のそれとは異なるものがある。明治期の中京地域は、紡績、織物など当時の日本の主要産業が次々と産声を上げ、日本の産業中心地へと発展することが大いに期待されていた。工科系大学である本学が他大学に先駆けて明治期にこの地に官立学校として設立されたことは、本学がこの地に産業を興し、この地を日本の産業中心地へと育て上げることを目的として設立されたことを意味する。その目的のもとに本学は多くの優秀な技術者、経営者を育て、また多くの革新的な技術を生み出し、中京地域の産業発展に大きく貢献してきた。今日では、この中京地域は、自動車産業などを中心に、世界有数の産業集積地へと成長を遂げた。その歴史的背景を踏まえ、我々名古屋工業大学は、世界の平和と人類の幸福を究極の目標としつつ、常に新たな産業と文化を興しその中心を育てるゆりかごとしての役割を果たすべく、革新的な学術・技術を創出し、有為な人材を育成し、社会を啓蒙することを、今後もその基本的使命とする。
一方、平和な社会の維持と産業文化の発展を実現するための課題は地球規模となり、また多様化、複雑化している。これらの課題は、もはや単独の大学や研究機関において解決できるものではなく、また単一の学術分野の知見のみでも解決しきれなくなってきた。したがって、これからの工科系大学は、構成員の自由な発想に基づく創造的な研究教育活動を尊び、既存の工学の枠組みに囚われることなく工学が本来有する無限の可能性を信じ、志を一にする者と地球規模で連携することにより、新たな価値の創造に挑戦して行くことが必要である。
以上の認識のもと、最高学府としての自覚と誇りを胸に、本学の全構成員がそれぞれの立場において力を尽くすよう、ここに名古屋工業大学憲章を制定する。
本学は、次の100年に臨み、伝統とその強みを活かしながら一層個性輝く自立性に富む大学を目指すため、全構成員の道標として依って立つべき処を名古屋工業大学憲章として制定する。
基本使命
名古屋工業大学は、日本の産業中心地を興し育てることを目的とした中部地域初の官立高等教育機関として設立されたことを尊び、常に新たな産業と文化の揺籃として、革新的な学術・技術を創造し、有為な人材を育成し、これからの社会の平和と幸福に貢献することをその基本使命とする。ものづくり
名古屋工業大学は、構成員の自由な発想に基づく実践的かつ創造的な研究活動を尊ぶとともに地球規模での研究連携を推進し、既存の工学の枠組みにとらわれることなく、工学が本来有する無限の可能性を信じ、新たな価値の創造に挑戦する。ひとづくり
名古屋工業大学は、自ら発見し、創造し、挑戦し、行動することで、工学を礎に新たな学術・技術を創成し世界を変革することのできる個性豊かで国際性に富んだ先導的な人材の育成に専心する。未来づくり
名古屋工業大学は、国民から負託を受けた開かれた大学として地域および国際社会との調和と連携を重視し、ものづくりとひとづくりを通して平和で幸福な未来社会の実現に向けて邁進する。名古屋工業大学憲章-補足
名古屋工業大学は、近代工業発展の機運高まる1905年(明治38年)、この地に産業基盤を創り上げ、その中心的役割を果たす産業人を育成することを目的に、官立名古屋高等工業学校として創設された。その後名古屋工業専門学校と改称された本学は、1949年(昭和24年)に愛知県立工業専門学校と合併し、国立名古屋工業大学となった。2004年(平成16年)に全ての国立大学が法人化されるとともに、本学は国立大学法人名古屋工業大学となり、自らの理念のもとにその道を歩むこととなった。本大学憲章は、我が国有数の工科系国立大学である名古屋工業大学が、その長き伝統と社会的使命を踏まえ、より一層個性輝く魅力的な大学となり、またそうあり続けるよう、本学の全構成員がそれぞれの立場において力を尽くすべく、その依って立つべき処を制定するものである。本学は、我が国最大規模の産業集積地に立地する工科系国立大学として、創設以来、決して学術的な孤高に陥ることなく、常に社会と産業界の要請に応え、数多くの優れた学術・技術の創出と有為な人材の教育に尽力してきた。設立当時の地域産業の要請のもとに土木科・機械科・建築科・機織科・色染科の5学科により創設された本学は、その後の時代の要請とともにその分野を拡充し、今日では工学のほぼ全分野をカバーする国内屈指の規模を誇る工科系大学となり、広く社会に貢献している。本学の卒業生は各界において活躍し、特に産業界においては、多くの卒業生が経営陣として、また中核的な技術者や研究者として高い信頼を受けつつ活躍している。
本学の使命には、その設立の経緯より、おのずから一般の総合大学のそれとは異なるものがある。明治期の中京地域は、紡績、織物など当時の日本の主要産業が次々と産声を上げ、日本の産業中心地へと発展することが大いに期待されていた。工科系大学である本学が他大学に先駆けて明治期にこの地に官立学校として設立されたことは、本学がこの地に産業を興し、この地を日本の産業中心地へと育て上げることを目的として設立されたことを意味する。その目的のもとに本学は多くの優秀な技術者、経営者を育て、また多くの革新的な技術を生み出し、中京地域の産業発展に大きく貢献してきた。今日では、この中京地域は、自動車産業などを中心に、世界有数の産業集積地へと成長を遂げた。その歴史的背景を踏まえ、我々名古屋工業大学は、世界の平和と人類の幸福を究極の目標としつつ、常に新たな産業と文化を興しその中心を育てるゆりかごとしての役割を果たすべく、革新的な学術・技術を創出し、有為な人材を育成し、社会を啓蒙することを、今後もその基本的使命とする。
一方、平和な社会の維持と産業文化の発展を実現するための課題は地球規模となり、また多様化、複雑化している。これらの課題は、もはや単独の大学や研究機関において解決できるものではなく、また単一の学術分野の知見のみでも解決しきれなくなってきた。したがって、これからの工科系大学は、構成員の自由な発想に基づく創造的な研究教育活動を尊び、既存の工学の枠組みに囚われることなく工学が本来有する無限の可能性を信じ、志を一にする者と地球規模で連携することにより、新たな価値の創造に挑戦して行くことが必要である。
以上の認識のもと、最高学府としての自覚と誇りを胸に、本学の全構成員がそれぞれの立場において力を尽くすよう、ここに名古屋工業大学憲章を制定する。