理科

 理科は、文系・理系を問わず、社会における自然科学、先端技術が関連する様々な分野において、問題の本質を見つけ、課題解決に導くための考え方の基礎となる教科です。このために、東京大学の学部前期課程(1、2年生)では、理科各類の全学生が物理・化学・生物を必修科目として履修し、文科各類の学生も高度な自然科学の授業科目を履修できるカリキュラムが組まれています。本学を受験する皆さんには、高等学校で理科の各科目を広く勉強し、理科に関する基礎的な力を身につけることを期待しています。このために、入学試験では以下の能力を判断するための問題が出題されますので、そのような力を養成する学習を目指してください。

1)自然現象の本質を見抜く能力
 自然現象を深く観察し、実物に即して現象の本質を見抜く発見力・洞察力を重視します。

2)原理に基づいて論理的にかつ柔軟に思考する能力
 自然現象に関する知識の正確さとともに、自然現象を科学的に分析し、深く掘り下げ、論理的に思考する能力を重視します。また、単なる計算力を問うのではなく、自然現象を定量的に考察する能力も重視します。求められる自然現象に関する知識は、現行の高等学校学習指導要領の範囲を逸脱することはありませんが、これらを十分に理解・消化し、論理的に組み合わせて活用する能力が求められます。

3)自然現象の総合的理解力と表現力
 自然現象は複合的な現象なので、一つの分野の特定の知識・技術のみではなく、幅広い分野の知識・技術を統合し総合的に理解する能力を重視します。また、得られた結論を、客観的に説明する科学的な表現力を重視します。