大学の特長、沿革

沿革

特徴のある教育プログラム

世界最高の学びの場

学生の主体的な学びを促し、世界の舞台で活躍する力を涵養

 東京大学のすべての学生が最初の2年間を過ごす教養学部前期課程では、リベラルアーツ教育を重視した教養教育が幅広い知の世界を提供しています。ここで学生は学問の基礎と学びの技法を着実に自分のものにするとともに、さまざまな学問分野の最先端の研究に接することができるのです。知の興奮と喜びを体験し、それらを糧として自ら意欲をもって自己を大きく成長させる主体的な学びへと進んでいくことができます。このような学びの環境から、世界の舞台で多様な知恵を出し合い、連携協力の精神のもとに行動をおこすことのできる人材が育つことを期待しています。

三つの基礎力の鍛錬

1 自ら原理に立ち戻って考える力
2 忍耐強く考え続ける力
3 自ら新しい発想を生み出す力

前期課程教育と進学選択制度

 前期課程教育では、特定の専門分野に偏らない視野と総合的な判断力を養うリベラルアーツ教育を効果的に実践し、「自ら原理に立ち戻って考える力」、「考え続ける忍耐力」、「自ら新しいアイディアや発想を生む力」という三つの基礎力を鍛えるために、多様な授業科目が提供されています。その授業科目は、一つの学問領域を深く掘り下げるものから、複数の領域に越境することで新しい見地を切り拓くものまで、実にさまざまです。これらの授業科目は基礎科目、展開科目、総合科目、主題科目から構成されています。

 東京大学では、すべての学生が、教養学部前期課程の6つの科類(文科一、二、三類、理科一、二、三類)に分かれて入学しますが、この科類に応じて基礎科目は定められています。この基礎科目は、広範な専門分野選択において通用する基礎的な知識・技能・方法を修得することを目的とします。展開科目は基礎科目での学びをさらに自ら主体的に展開させるための素地となる能力を涵養し、専門的学びへの積極的動機づけをはかります。総合科目は、現代において共有すべき知の基本的枠組みを多様な角度・視点から修得して、総合的な判断力や柔軟な理解力を養うための授業群です。高度な研究・教育を教養教育に還元するために先端的なトピックが扱われ、学問の多様性と奥行きを理解することができるようになっています。そして、主題科目は、研究所を含む全学の多種多様な専門分野の教員が、領域横断的、萌芽的、先端的テーマや時宜を得たトピックを設定し、学生の主体的関心にもとづく参加を求めることで、多様な専門分野と学問的アプローチ、最先端の知に接する機会を提供します。

 一般選抜による入学者は、前期課程で得た広範な分野の知見と学びの基礎力をもとに、後期課程における自分の進むべき専門分野の学部・学科等を主体的に選択します。前期課程各科類から後期課程各学部への進学先はおよそ下記ページのようなものです。また、各学部には指定科類以外のどの科類からもそれぞれ一定数の進学を許している「全科類枠」もあります。例えば、理科各類から経済学部や文学部に進学することも可能です。

 学校推薦型選抜による入学者は、入学後は教養学部前期課程の6つの科類のうちいずれかに所属することになりますが、前期課程修了後は出願時に志望した学部等へ進学します。

 東京大学は、学問の発達や社会の変化に応じて、多様な学修と進路の選択が可能になるように、できるだけ柔軟な学びのシステムを構築するよう努力しています。このような学びの環境から、他者理解と自己相対化の力が育まれ、世界的な視野で「多様性を活力とする協働」を牽引する、世界最高の学びの場が生まれているのです。

科類の特徴と学部進学との関係

 前期課程の各科類から主として進学できる後期課程の学部は下記のとおりですが、2006年度の新入生から、すべての科類からどの学部にも進学できる枠が設けられています。
 なお、全科類からの進学枠を含め、下記に示されていない進学の道もあります。

所属している科類に応じて後期課程で進む学部の大枠が決まっています

前期課程科類(1〜2年):文科一類
 法と政治を中心にして社会科学全般の基礎を学び、関連する人文科学と自然科学の諸分野にわたって理解を深め、人間と社会について広い見識を養う。
 ↓
後期課程学部(3〜4年):法学部・教養学部・経済学部・文学部・工学部・農学部・教育学部・医学部

前期課程科類(1〜2年):文科二類
 経済を中心にして社会科学全般の基礎を学び、関連する人文科学と自然科学の諸分野にわたって理解を深め、人間と組織について広い見識を養う。
 ↓
後期課程学部(3〜4年):経済学部・文学部・工学部・教養学部・農学部・法学部・教育学部・医学部・理学部

前期課程科類(1〜2年):文科三類
 言語、思想、歴史を中心にして人文科学全般の基礎を学び、関連する社会科学と自然科学の諸分野にわたって理解を深め、人間と文化的・社会的営為について広い見識を養う。
 ↓
後期課程学部(3〜4年):文学部・教養学部・教育学部・経済学部・法学部・農学部・工学部・医学部・理学部

前期課程科類(1〜2年):理科一類
 数学、物理学、化学を中心にして数理科学・物質科学・生命科学の基礎を学び、自然の基本法則に関する探究心を養い、科学や技術と社会の関わりについても理解を深める。
 ↓
後期課程学部(3〜4年):工学部・理学部・教養学部・農学部・薬学部・文学部・教育学部・法学部・医学部・経済学部

前期課程科類(1〜2年):理科二類
 生物学、化学、物理学を中心にして生命科学・物質科学・数理科学の基礎を学び、自然の基本法則に関する探究心を養い、科学や技術と社会の関わりについても理解を深める。
 ↓
後期課程学部(3〜4年):農学部・工学部・理学部・薬学部・医学部・教養学部・経済学部・教育学部・文学部・法学部

前期課程科類(1〜2年):理科三類
 生物学、化学、物理学を中心にして生命科学・物質科学・数理科学の基礎を学び、人間についての探究心を養い、生命と社会の関わりについても理解を深める。
 ↓
後期課程学部(3〜4年):医学部

(令和6年4月実績にもとづく)