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長友・国際学部准教授が国際学会で最優秀発表賞
「International Conference on Social Science and Economics (ICSSE)」

 長友淳・国際学部准教授が1月2、3日、ドイツのミュンヘンであった国際学会「International Conference on Social Science and Economics (ICSSE)」で、最優秀発表賞を受賞しました。

 長友准教授は「毎年、ゼミ生と一緒に海士町(島根県隠岐郡)を訪れ、海士町の方々のお話を聞く機会を多く作っています。今回の研究発表もゼミ生と共に学んだ過程そのもの。海士町の方々やゼミ生に感謝しています」と振り返り、「これまで中間層の移動という軸で、オーストラリアへの日本人移住者と、海士町へのIターン移住を研究してきました。中間層の移動は、移住・定住プロセスの過程が複雑で、関連する領域も広いため、研究対象としてとても興味深いものがあります。今後もゼミ生たちと共に学びを深めていきたい」と語りました。

 受賞した発表のタイトルは、「Tourist Gaze in Visitation Tours: Social Interactions and Power Relations between Host and Guest in Ama-cho, Oki Islands, Japan」。自治体や教育の関係者が行う島根県隠岐郡海士町への視察旅行について、文化人類学的フィールドワークをもとに考察したものです。

 日本海に浮かぶ離島の隠岐郡海士町は、地域創生の成功事例として、メディアの注目を集めています。教育を中心にした地域創生、Iターン移住者の受入れ、大胆な財政改革や投資など、様々な取り組みを学ぶため、多くの視察旅行が行われています。

 文化人類学や社会学では、「まなざし」とは力の作用を伴い、それは権力関係の落差を生むと捉えます。視察旅行の文脈では、一般的にそれは「視察する側」が強いと考えられます。しかし、海士町の事例はこの一般論とは異なる様相を見せています。海士町は、件数増加の背景もあり、視察旅行を観光協会にアウトソーシングし、視察も有料化するなど、様々な工夫を重ねています。また、改革に取り組む方々の語りには、「中央」と「地方」を従属的で固定的な関係性として捉えるのではなく、関係性から生み出される何かを積極的に利用するという動態的な視点で捉える傾向があります。

 これらの点を、文化人類学の古典的視点である贈与交換論や現代的視点のポストコロニアル論をもとに考察し、視察する側とされる側の関係性や権力関係に変化が生じている点や、その動態性を明らかにしました。