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蝶野教授と辻教授が日本機械学会流体工学部門賞とフロンティア表彰を同時受賞
 11月7日・8日、愛知県豊橋市で開催された日本機械学会流体工学部門講演会において、システム工学群 流体工学研究室の蝶野 成臣教授と辻 知宏教授が、それぞれ2019年度の「部門賞」と「フロンティア表彰」を同時に受賞しました。

 蝶野教授が受賞した「部門賞」は、流体工学部門に関する学術、技術、教育の分野における業績を通じて、我が国の機械工学・工業の発達に寄与し、その業績が顕著な個人に贈られます。辻教授が受賞した「フロンティア表彰」は、流体工学部門の掌握する技術分野を拡大する未知の分野への技術開発にチャレンジし、優秀な成果を得た個人またはグループに対して行われるものです。これらの賞は、約6,200名の流体工学部門正会員のうち毎年数名にしか授与されない大変栄誉あるものです。

 蝶野教授と辻教授は、長年にわたり、液晶(液体と固体の間の状態)の性質や運動を調べて、これを極小サイズの駆動装置やセンサ等に応用する研究を行っています。

 例えば、これまでに、分子の回転運動を液晶の流動に変換して円筒を回す“直径0.1mmの極小モータ”を開発したほか、近年では、固有の形状を持たずアメーバのように自身の形状を周辺形状に適合させながら物を輸送する“無定形アクチュエータ”の開発、さらには温度差を与えることで液体状態と液晶状態を共存隣接させ、両者間に発生する界面力を利用して物を傷つけずに運ぶ“マイクロマニピュレータ”の開発などを行っています。

 液晶の応用というとディスプレイが連想されるなかで、近年注目が集まっているM(N)EMS(Micro(Nano) Electro Mechanical Systems:極小の機械デバイス)の分野に液晶を応用したこれらの研究は、新たな道を拓いたということができ、今後医療技術分野などへの応用も期待されることから、その功績が評価されました。

二人の受賞コメント:
 液晶は、“複雑流体”または“流れる結晶”と呼ばれる不思議な物質です。この液晶に魅了されて30年間、その流れを調べてきました。研究を開始した頃は何の役に立つかは余り意識せず、ただひたすら速度分布と分子配向分布の関係を数値計算で明らかにしました。そのうち、液晶を機械工学に応用することを発想し、これが今回の受賞に繋がったと思います。この度の受賞を契機として、さらに深く研究していきたいと考えています。