総合教育院

総合教育院紹介

科学技術は、人間の生活をより快適で充実したものにしてくれる文化の極めて重要な要素であり、近代社会の形成と発展に重要な役割を果たしてきました。その一方で、ますます複雑化する社会と世界は、環境問題を始め、多くの課題を私たちに突きつけています。それらを解決し、人間と世界の関係をさらに豊かなものにするために、科学技術も新たな段階に入ることが求められています。
こうした状況の中で「指導的技術者」は、自然、環境、社会、人間に関する深い知識と理解をもち、科学技術を人間の営み総体の中に位置づけて考えられる、自立した世界観をもつことが必要です。その土壌となるものこそ「リベラルアーツ」であろうと私たちは考えます。
そこで本学では、リベラルアーツ教育を学部にとどまらず博士前期課程においても提供しています。総合教育院はその中核となる存在です。スタッフは、語学・哲学・文学・歴史・社会学・法律・経営学・生理学・化学・物理学・数学といった多岐に亘る分野の研究者で構成されており、その専門的見地から教育を行っています。
学部課程の一般基礎科目として、人文科学・社会科学・自然科学・基礎工学の諸分野及び保健体育、外国語を担当し、学術の基礎的な資質や幅広い知識、そして現代社会に不可欠な国際性を育むことを目標としています。博士前期課程では、共通科目として人文科学・社会科学・自然科学・基礎工学の分野を担当し、学部課程の教育を発展させていくことで、狭い専門にとらわれない視野を培います。博士後期課程の研究指導にも関わっている教員もいます。
また、留学生に対する日本語・日本文化の教育も、本教育院の大きな特色の一つです。

教育研究分野と概要

人文科学

幅広い知識と豊かな人間力を備え、国内外で活躍できる技術者になるためには、「人間」に対する深い洞察が不可欠です。それを研究・教育するのが本分野です。本分野は、日本及び世界の哲学・思想、文学、文化、歴史等の教育研究を行っています。また、その研究成果を、学部生、院生に分かりやすく教授し、受講生が自ら主体的に考える場を併せて提供しています。

社会科学

これからのエンジニアには、最先端技術の追究だけではなく、技術の役割を理解し活用するための産業やビジネスに関するスキルが必要とされます。本分野では、こうした社会ニーズに適応した社会学、法学、経済学、経営学等の教育研究を行っています。これらに関する基礎知識と、実践力が身に付く科目(デザインマーケティング・アントレプレナーシップ・MOT)を構成し、各科目特性に合わせた講義や討論、グループ学習、ケーススタディなど効果的な授業方法で提供しています。

コミュニケーション

本分野では、コミュニケーション学、言語学(認知言語学、心理言語学、応用言語学)、第二言語習得、表象文化論、日本語教育学等の教育研究を行っています。グローバルに活躍する技術者に不可欠な英語をはじめ、フランス語、中国語、留学生を対象とした日本語教育を提供しています。

自然科学・基礎工学

本分野では数学、物理学、化学を中心とした自然科学と体育・スポーツ科学の教育(運動生理学等)を行っています。また、専門系や健康支援センターと連携して特色のある研究を進めています。分野を横断した研究活動で得た先端の実践的な知識・技術を、豊かで深みのある自然科学教育を提供しています。