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学生2名(共に共同獣医学課程6年)が、日本家畜臨床学会の第49回学術集会において、最優秀発表賞と優秀発表賞をそれぞれ受賞しました
 11月15日(木)、16日(金)に宮城県仙台市で開催された日本家畜臨床学会の第49回学術集会において、獣医学課程6年工藤彩佳さん(獣医内科学研究室)が発表した研究成果「牛コレステロール代謝異常症ヘテロ個体の生産性は低いのか?」が最優秀発表賞を、また、獣医学課程6年坂口加奈さん(獣医内科学研究室)が発表した研究成果「牛白血病ウイルス感染による持続性リンパ球増多牛のBリンパ球クローナリティー解析」が優秀発表賞を受賞しました。同学会において同じ大学の同じ研究グループからのダブル受賞は、極めてまれです。

 日本家畜臨床学会は、主として我が国の大動物臨床に携わる臨床獣医師が構成員である学会で、会員数400名程度ですが、毎年総会と学術集会を開催するとともに、会誌として審査のある和文雑誌「産業動物臨床医学雑誌」を年に5〜6回刊行している極めて活発に活動している学会の一つです。

 最優秀発表賞を受賞した工藤さんの研究は、ホルスタイン種乳牛の新しい遺伝病であるコレステロール代謝異常症に関するものです。この病気は、常染色体劣性遺伝病とされていますので、異常遺伝子をホモに保有する個体だけで病気が発現するはずです。しかし、本学のこれまでの研究からこの病気は異常遺伝子をヘテロに保有する個体にも発現することが明らかにされていました。工藤さんの研究では、さらにヘテロ個体の生産性にも着眼し、ヘテロでは血清総コレステロール濃度が正常牛よりも低いこと、またそれに関連してヘテロでは乳量が低いことを明らにしました。これらの知見は、コレステロール代謝異常症の遺伝様式が常染色体劣性遺伝ではない可能性をいっそう強調するものであり、これまでの常識を覆す斬新な結果です。また、本研究の成果は獣医学ばかりでなく、ホルスタイン種乳牛の改良戦略に影響を及ぼす可能性もあります。

 優秀発表賞を受賞した坂口さんの研究は、生産現場で大きな問題になっている牛白血病ウイルス感染による地方病性牛白血病に関するものです。地方病性牛白血病の病態解析を行うことにより、これまでは、腫瘍でないとされていた持続性リンパ球増多症症例の中に、既に腫瘍化している個体が含まれることを明らかにしたものであり、これまでの常識を覆す内容でした。この成果は、家畜衛生上大きなインパクトを持つものであり、今後の牛白血病防疫対策の改善に応用されることが期待されます。

 工藤さんと坂口さんは、来年春から北海道内の農業共済組合に就職が決まっており、研究マインドを有した産業動物獣医師としての活躍が益々期待されます。

写真等詳細は下記URLをご覧ください。
http://www.obihiro.ac.jp/topic/2018/double_30.html (外部サイトへ移動します)