システム科学技術学部

次世代に通用する「システム思考」で、世界に通用する技術者・研究者を育てる

国連の提唱するSDGs、あるいは我が国が進めるSociety 5.0などの将来像を見据えれば、「ものづくり」・「ものづかい」の大局的な目的は、よりよい社会の持続的発展に寄与することと言えます。このとき、限られた分野の専門的知識だけでなく、新材料の開発から、ものの使われ方としての構造的安全性、制御性、経済性、さらには生命・環境影響の評価など、広い範囲の科学・技術に対する知識を基礎として、それらを総合化することが必要です。

専門的工学領域の「微視的」な立場と、社会性を含めた「巨視的」な「ものづかい」の立場。これらの両面からの総合的な「ものづくり」を志向すべきで、それを支える学術概念が「システム思考」です。本学部は「システム思考」の教育と研究に重点を置いています。

高度専門技術者と研究者の育成のための教育・研究を行う、大学院システム科学技術研究科も着々と充実してきました。大学院では、工業分野のみならず、農業や林業などの地域産業との緊密な連携を展開しつつ、新しい研究成果を世界に発信していくことを目指します。

システム科学技術学部長 水野 衛
機械工学科運営ページへ
本学科では、地球資源・エネルギーの有効活用による、人と環境に優しい高度機械システムに関する教育と研究を行います。

教育では、機械工学の基礎をなす材料力学、熱力学、流体力学、機械力学を重視し、ものづくりに必要な知識と技術を修得するための授業を行います。また、プロジェクト型授業などを導入し、“機械屋”としてのセンス・実践力を養います。

エネルギーシステム、輸送機械、生産システムを対象に社会での機械と人間の役割・責任分担を理解し、システム思考によって個々の専門分野の有機的結合を行います。そして、問題発見・解決型実践的学習を通して、地域の社会基盤を支える実践的技術者の育成を行います。

取得可能資格

・高等学校教諭一種免許状(工業)
・一級技術検定(受験資格、他実務経験等の必要あり)
・二級技術検定(受験資格、他実務経験等の必要あり)

活躍が期待される分野(就職分野)

・輸送用機器の開発/設計
・電気機器の開発/設計
・熱機器・流体機械の開発/設計
・生産技術/品質管理
・インフラ設備の運転/保守
・セールスエンジニア

カリキュラムの特徴

・4つの力学、製図・実習をはじめとした専門基礎科目の重視
・実社会で用いられている機械システムを学ぶことによるシステム思考の涵養
・少人数教育、グループディスカッションによるコミュニケーション能力の涵養
・プロジェクト型授業を通じた実践力と問題発見・解決能力の涵養

こんな学生を待ってます

次の能力、素養を習得する意欲のある学生
・機械工学を理解するのに必要な数学と物理学の基礎学力を有する人
・ものづくりに興味を持ち、仲間と協力して問題解決に取り組める人

講座制におけるグループ構成と研究内容

材料構造工学講座

【応用材料力学研究グループ】
・バイオマスを利用した高分子複合材料の高機能化
・高分子材料の高度利用 -異種材料接合および塑性加工技術-
・振動現象を用いた機械材料や岩体にあるき裂の評価に関する研究

【先端材料研究グループ】
・複合材料と機能性材料の変形・内部損傷過程の解明と予測
・超急冷技術による材料の組織制御と新しい構造・機能材料の開発
・ナノ粒子による新機能性材料の創製とその応用に関する研究

熱・流体工学講座

【熱流体研究グループ】
・熱エネルギーの利用および制御の研究
・燃焼技術の利用および制御の研究
・植物由来エネルギーの高度利用の研究
・生物・バイオ材料に関する流体科学的及び医工学的な基礎研究

【流体科学フロンティアグループ】
・新規機能性サスペンションや機能性流体開発のための基礎研究
・超伝導体と磁性流体を用いた高効率アクチュエータの開発
・機能性流体や磁場を用いた移動搬送装置の研究

設計生産工学

【応用機械設計研究グループ】
・熱流体を利用したエネルギーシステムの効率向上に関する研究
・放電やプラズマの特性を利用する環境負荷の低い新技術の研究
・機械的微粉砕を利用した木質バイオマスの利用に関する研究

【先端加工計測研究グループ】
・超音波を援用・利用した精密加工技術の高度化開発
・MCF(磁気混合流体)スラリーを用いたナノ精度研磨技術の開発
・微細切削加工における微小径工具の加工プロセス最適化
知能メカトロニクス学科 運営ページへ
本学科では、産業を支える技術者の実践的教育や制御を基幹技術とする機械・電子・通信などの分野を融合した応用システムに関する教育と研究を行います。

機械工学と電気電子工学及び制御工学を中心とした専門科目や、システム思考に基づいてこれらの技術を組み合わせたメカトロニクスに関する科目について、プロジェクト型実習を中心として少人数教育を実施し、産業分野で応用できる問題発見・解決力を備えた人材を育てることを目標にしています。

さらに、メカトロニクスに関する技術を体系的に修得できる学習を履修モデルとして提示し、国際化に対応できるコミュニケーション能力を育成します。

取得可能資格

・高等学校教諭一種免許状(工業)
・一級技術検定(受験資格、他実務経験等の必要あり)
・二級技術検定(受験資格、他実務経験等の必要あり)
・電気通信主任技術者試験(「電気通信システム」試験科目免除)

活躍が期待される分野(就職分野)

・制御・計測/メカトロ設計
・生産技術/品質管理
・デバイス開発/設計
・電子/制御システム設計
・情報/通信システム設計
・生産技術/品質管理
・システムエンジニア
・セールスエンジニア

カリキュラムの特徴

・人間・機械・環境を融合し、他分野も見据えたシステム思考の習得
・プロジェクト型実習を中心とした少人数教育による実践的技術者の育成
・最新の研究機器を活用した学生実験や、理解を深めるための演習の実施
・プレゼンテーション・コミュニケーション能力訓練の機会を多数設定

こんな学生を待ってます

次の能力、素養を習得する意欲のある学生
・数学と物理学の基礎学力を有し、ものづくりに興味のある人
・メカトロニクスの専門知識を学ぶ意欲があり、仲間と協力できる人

講座制におけるグループ構成と研究内容

先進ロボットシステム講座

【ロボティクス研究グループ】
・国際貢献に資するロボットとメカニカルシステムの開発
・安全・安心の社会を構築するための簡易計測システムに関する研究
・メカトロニクス制御に向けた新たな制御系設計手法やと生体力学柔軟デバイスの開発

【創造機械工学研究グループ】
・細胞機能改変による先端医療応用、高度移動型生活支援ロボットの開発
・人に優しい知能化技術、機械学習の応用化研究とロボットビジョン​​​

電気電子応用工学講座

【制御システム研究グループ】
・ロボットや航空機などの複雑なシステムのモデリングと制御の研究

【電気システム研究グループ】
・ロボットを動かす低速回転で大きな回転力を発生するモータの開発
・空気中で放電を起こすことによって風を生み出す研究
・スマートフォンなどに用いられるアンテナ、増幅器などに関する研究
・再生可能エネルギーに対応したエネルギー貯蔵の応用研究

材料物性・デバイス工学講座

【先進物性デバイス研究グループ】
・温度差や電磁波、室内光など微小な環境エネルギーを活用する環境発電技術をはじめとする環境エレクトロニクス分野に関する材料・プロセス・デバイス・回路の研究
・ソフトマターに代表される機能性材料(液晶、ゲル、超分子、高分子など)による新しいミリ波・テラヘルツ波・光制御デバイスの実現および先進計測システムへの応用に関する研究
情報工学科 運営ページへ
現在、私たちの身の回りにあるスマートフォン、家電製品、自動車などには多くのコンピュータや情報機器が組み込まれ、高度な情報技術が活用されています。本学科では、情報工学を基盤とし、現実世界の多種多様で大量な情報を活用して、人を援ける賢い情報システムを創出できることを目的とした教育と研究を行います。

標準的な情報工学の学問を基礎に、IoT(モノのインターネット)、AI (人工知能)、データサイエンス、実世界情報処理に重点を置いたカリキュラムを組んでいます。また、農業・生活支援・健康・交通・エネルギー等の分野において、社会の幅広いニーズを満たす情報システムを設計・開発・運用できる実践的な人材の育成に力を入れます。

取得可能資格

・高等学校教諭一種免許状(情報)
・一級技術検定(受験資格、他実務経験等の必要あり)
・二級技術検定(受験資格、他実務経験等の必要あり)
・工事担任者(ネットワーク接続技術者)(受験科目の一部免除)

活躍が期待される分野(就職分野)

・ITソリューション/ITインフラ設計
・映像音響システム設計
・情報/通信システム設計
・組み込みシステム設計
・ソフトウェア開発
・システムエンジニア
・技術コンサルティング

カリキュラムの特徴

・日常の生活と生産の場に欠かせない情報技術の基礎と応用をバランス良く学修
・知的な人間支援を実現するために必要となる、メディア情報処理、知能情報処理、情報ネットワークシステムに関する専門知識・技術を重点的に習得
・社会の幅広いニーズを満たす情報システムを設計・開発・運用できる能力の習得
・プロジェクト型実習を通した、様々な産業分野で活躍できる情報技術者が備えるべき実践力の醸成

こんな学生を待ってます

次の能力、素養を習得する意欲のある学生
・情報工学に関心をもち、新しい技術やシステムを創造して社会に貢献する熱意をもった人
・数学と物理学の基礎学力を有し、自ら好奇心をもって新しいことに取り組める人
・自分の意見を明確に表現し、仲間と協力して問題解決に取り組める人

講座制におけるグループ構成と研究内容

情報システム創成学講座

【情報システム研究グループ】
・新しいサービス・価値発見のためのシステムデザイン思考の研究
・様々なサービスが実装できる、アーキテクチャシステム思考の研究
・農業・交通・エネルギー等のデータの集積・活用を通したサービス実行基盤の構築に関する研究
・実世界を取り込んだ情報ネットワークとコンピューティング技術に関する研究
・地方創生のためのIoT基盤の構築に関する研究
・システムソフトウェアに関する研究
・IoT・クラウド・機械学習におけるセキュリティに関する研究

【知能システム研究グループ】
・言葉や身振りを使って人間と会話する会話ロボットの研究
・外界を認識・理解するコンピュータビジョン
・人間の感情を理解するヒューマンインターフェイス
・生活支援・農業支援などの応用研究
・コンピュータの性能を最大限に引き出すための技術の研究
・自然現象の解析のためのコンピュータシミュレーション
・子ども向けプログラミング教育の教材開発

実世界情報学講座

【メディア情報処理研究グループ】
・聴覚の仕組みを他の感覚との関連性を含めて解明する「聞こえを探る」研究
・さまざまな音環境を仮想的に合成する「聞こえを創る」研究
・「音環境を収音・伝送・再生」するための信号処理技術の研究
・映像中の人・物体などに対する認識・解析とその応用システムの実現
・深層学習を用いた医用画像の認識とその解析
・仮想現実感の技術を使った人の視聴覚の知覚についての解明
建築環境システム学科 運営ページへ
「建築学」は、多方面の知識・経験・感性などを総動員して「あらゆる分野を統合する工学芸術」である点が際立った特長となっています。ひとつの住宅設計でも、統合すべき対象は、地域・都市としての空間・環境、あるいは地球環境のスケールまで及ぶ場合もあります。優れた建築空間を実現するためには、建築をシステムとして捉え、幅広い視点で総合的に学び、研究しなければなりません。

本学科では、「木質構造」などの地域特性に富んだカリキュラムや、即戦力が求められる社会のニーズに応えるためのCAD設計システムなどを加え、新しい時代に対応した総合的な建築教育と研究開発に取り組んでいます。

取得可能資格

・高等学校教諭一種免許状(工業)
・一級建築士(受験資格、他実務経験等の必要あり)
・二級建築士(受験資格)
・木造建築士(受験資格)
・一級技術検定(受験資格、他実務経験等の必要あり)
・二級技術検定(受験資格、他実務経験等の必要あり)

活躍が期待される分野(就職分野)

・建築設計(意匠、構造、設備)
・建築施工管理
・建築製品開発/製造
・建築行政(公務員)

カリキュラムの特徴

・総合的かつ実践的な学科目構成
・地域特性を反映した学科目の設置
・設計教育の重視
 >>充実したCADシステムによる教育
 >>卒業制作と卒業論文の選択制
 >>系統的、実践的な設計科目
・研究者、デザイナー、エンジニアとして、実践的に活躍している教員陣による指導

<建築学の特徴>
・あらゆる分野を統合する工学芸術
・ものづくりの対象は「人間生活の場(空間)」
>>工学系のみならず、人文系の学問も大切((レオナルド・ダ・ヴィンチ的な博識さ)
>>ものづくりの対象がミクロからマクロに及ぶ(衣服から地球環境まで)
・分野間の強い連携と幅広い知識の総合化

こんな学生を待ってます

理系文系問わず知識欲の旺盛な人、感性が豊かな人、審美眼を備えた人、図工や芸術全般が好きな人、チームリーダーやコーディネーターになれる人、面白いアイデアを考えることが好きな人、人との対話が好きな人。これらに多くあてはまれば、建築を楽しんで学ぶことができ、卒業後の活躍も期待できます。

講座制におけるグループ構成と研究内容

構造学講座

【建築構造学研究グループ】
・最高水準の実験装置を用いた地震などの災害に強い建築構造の研究
・耐震補強工法の開発と、公共施設などの耐震化促進活動への参画
・寺社建築などの歴史的建築物の耐震性に関する調査研究

材料学講座

【建築材料学研究グループ】
・秋田スギをはじめとする地場産材料を有効活用する新しい構法の研究
・繊維補強などを用いた粘り強くひび割れの少ないコンクリートの開発
・建築部材の劣化度評価及び補修・補強技術の開発

環境学講座

【環境計画学研究グループ】
・寒冷地での快適な建築空間実現のための断熱構法などの設計手法研究
・地中熱のような自然エネルギー利用や暖冷房関連省エネ技術の開発
・結露やカビの発生による健康被害やシックハウス問題に関する研究

計画学講座

【都市・建築計画学研究グループ】
・スマートシティや街並みなどの都市計画の研究およびまちづくりの支援
・医療福祉、環境心理、伝統建築、リノベーションなどの建築計画研究
・災害危機に対応した行政運営や地域計画のための情報システム開発

<どんな人が建築学に向くか?>
・小さいときから図工などが好きな人
・知識欲の旺盛な人 >> 理科系でも人文系学問に相当興味のある人
・チームのリーダー、コーディネーターになれる人
・感性豊かな人、審美眼を備えた人
・必ずしも美術、デザインの制作が得意である必要はない
経営システム工学科 運営ページへ
社会の持続的発展につながるイノベーションには、個人や企業と、それを取り巻く自然環境および社会経済環境との間の相互作用についての理解、すなわち鳥瞰的視野からの外部環境の理解が必要不可欠です。

本学科は、このような理解の上に"経営"、"データサイエンス"、"SDGs"の基に数理的な手法を用いた経営工学を基礎とするイノベーションを目指し、それを実行できる人材の養成を目的とした教育を行います。このような人材は、モノやサービスすなわち有形無形の価値を創造するさまざまな集団における意思決定とその実行において、中心的な役割を担うことが期待されます。

取得可能資格

・高等学校教諭一種免許状(工業)
・甲種危険物取扱者試験受験資格

活躍が期待される分野(就職分野)

・経営コンサルティング/プロジェクトマネジメント/テクニカルエバンジェリスト/CSR
・データサイエンティスト/ファイナンシャルプランニング/銀行/証券
・生産管理/品質管理/工程管理/環境管理/ロジスティクス/マーケティング/商品開発/販売企画/販売データアナリシス

カリキュラムの特徴

経営システム工学科では、外部環境を理解した上で、数理的な手法を用いた経営工学を基礎とするイノベーションを実現できる人材を育成するため、以下の特長を持つカリキュラムを編成しています。
・企業経営における、情報、生産、販売、財務、組織の管理に関する経営工学手法の修得
・経営管理や課題発見と問題解決を工学的に行うための数理的解析手法を修得し、社会へ応用する力の養成
・鳥瞰的視野で人間社会を取り巻く環境・資源や社会・経済を理解し、多角的視点を融合して課題の本質や重要度を明らかにする力の養成
・イノベーションの実現に必要なコミュニケーション力、実行力の養成

こんな学生を待ってます

経営に理数系の知識を活かしたい
・将来、社長になりたい
・経営コンサルタント、システム・エンジニア、公務員、銀行員になりたい
・製造(製品開発・情報システム・管理等)、企画、流通、サービス、環境保全、マーケティング等の仕事がしたい

講座制におけるグループ構成と研究内容

戦略プランニング講座

【経営企画研究グループ】
・コストマネジメントに関する研究
・商品企画に関する研究
・情報システムに関する研究

【先端ビジネスマネジメント研究グループ】
・IoTネットワーク技術とその農業応用に関する研究
・AIシステムの医療応用とそのための基盤技術の研究

数理アナリシス講座

【計画数理研究グループ】
・計画数学に関する研究
・応用統計に関する研究
・応用数学に関する研究
・統計数学に関する研究

持続可能マネジメント講座

【社会環境シミュレーション研究グループ】
・社会を効率よく駆動させるサイバーフィジカルシステムの研究
・人工知能を駆使した、楽しく快適なスマートシティや便利で安全な権利価値流通の研究
・経済時系列・市場分析に関する研究

【環境マネジメント研究グループ】
・環境プロセス・生産マネジメントに関する研究
・資源循環工学に関する研究
・環境動態分析・食品化学に関する研究
・地域環境・リスクに関する研究
※空撮映像等詳細は下記URLをご覧ください。
http://www.akita-pu.ac.jp/gakubu/sys/gakubu0100