医学部

医療の光を格差なく広く深く届けるために

「回復不可能」とされてきた脊髄損傷の患者さんに希望の灯をともす

日本では毎年約5千人が交通事故などで脊髄損傷を受傷し、さらに10万人以上が過去の損傷によって麻痺など重度の後遺症を患い、車いすや寝たきりでの生活を余儀なくされています。一度損傷すると再生できないとされてきた脊髄ですが、急速に発達してきた再生医療によって回復への道が拓かれつつあります。損傷した脊髄の再生方法には、胚性幹細胞やiPS細胞を用いたものがありますが、私が取り組んでいるのは「骨髄由来間葉系幹細胞」移植によるもの。脊髄損傷した当人の骨盤から幹細胞を取り出し培養し静脈から投与する。すると幹細胞は損傷箇所に集まり、栄養因子を生成補給しながら脊髄を再生していくのです。20年ほど前に発見されたこの機序が、その後15年の歳月を経て臨床応用の段階にまで進んでいます。私の目下のテーマは、この治療法を保険適用できるようにすること(現在は期限付承認)。一日も早く、後遺症で苦しむ10万人の患者さんに希望の光を届けたい。そんな思いで取り組んでいます。
医学部 医学科 中嶋 秀明 准教授


医学科

医師としての社会的責任を自覚できるよう1年次から基礎医科学を取り入れ、さまざまな患者と出会う臨床を見据えた6年一貫教育を行います。カリキュラムは世界医学教育連盟の定めるグローバルスタンダードに準拠する医学教育分野別評価基準日本版に沿い、全教員はそれぞれの専門領域の基本から最新の医療を効率的に伝授。医師に求められる膨大な知識や多様化する課題対応力を培いながら、高度な臨床能力・研究能力を持つ人間性豊かな医師を養成します。

医学科を読み解く5つの特長


01 1年次からの臨床体験、研究参加

1年次から、医療や医学研究の現場を体験します。診療科におけるカンファレンスの見学や最先端の医学研究に触れることができます。現場において医療従事者の仕事、チーム医療、患者の状態を身をもって知り、幅広い責務を入学後の早い段階から自覚できるよう体制化されています。

02 1年次からの人体解剖学実習

1年次の6月から解剖学の講義が始まり、10月から約3カ月にわたり、人体解剖学の実習が行われます。筋肉や臓器などあらゆる部分を自らの手に取って調べ学んでいきます。「人の体を知る」という基本を通じて、医学を志す学生に高い意識を持たせることを目指します。1年次から解剖学実習を行うのは、本学カリキュラムの大きな特徴です。

03 本学独自開発の臨床実習システム

医師免許取得前から医療チームの一員として診療に参加し、現場実習を重ねることを目的として開発した本学独自のICTシステム「F.CESS(エフセス)」。システム上の学生用電子カルテを使い、患者さんを診察して実際のカルテ同様に所見を記載する訓練ができます。指導医とオンライン上でやりとりができ、実習での疑問点や質問を書き込めば、指導医がそれを確認してフィードバックすることにより、現場に即した学びを実現しています。

04 「見つけ出し、考える力」を養う画像診断教育

医師は診断に重要な医学的根拠となる情報の多くを、「目で視て」確認しています。画像医学において日本をリードしてきた本学では、臨床現場で使われているCTやMRI画像、組織・病理画像などの高精細画像を使い画像診断教育を徹底することで、病変や病気の可能性を見つけ出し、さらに、そこから派生する治療を考える力を養い、臨床診断能力の向上を図ります。

05 周囲と連携し行動する力を養う

実際の臨床現場で欠かせないのが多職種との連携。看護学生との合同講義や合同実習を通してコミュニケーション能力と社会性を養い、常に問題を提起し、広く意見を求めて、探究、解決する能力を身につけます。


看護学科

看護の本質を踏まえ、自らの資質向上を目指して学び続けるために必要な基礎的能力と、多様化する社会のニーズに応えるための専門的な看護力、実践力を修得します。さまざまな現場で、多職種連携によるチーム医療を行うための看護実践能力を発揮できるよう、効率的で充実した教育プログラムを編成、医学科を加えた多彩な教員陣、附属病院の現場スタッフからも学ぶことができます。看護師免許に加えて、助産師や保健師免許を取得できる選択課程があります。

看護学科を読み解く5つの特長


01 在宅看護や地域包括ケアなど地域課題に密着した看護力を学ぶ

本学科では一般的な看護の知識だけでなく、地域社会の現状や課題を踏まえた対応ができる地域医療の核となる看護師を育成することを目指しています。そのため、ふくい看護力、在宅看護、多職種連携、地域包括ケアなど地域課題に着目したカリキュラムを1〜4年次を通して、発展的に学びます。

02 看護のプロフェッショナルとして必要な能力を1年次から強化

リサーチマインド、コミュニケーション、倫理観、ライフキャリアデザインの構築などを1〜4年次まで発展的に学ぶことで、生涯にわたって自発的にキャリア開発を継続する能力を身につけます。

03 学生主体の授業を幅広く展開する保健師教育(選択制)

変化する社会の多様な健康課題に対応するために必要な能力を学びます。3年次から行う公衆衛生看護学実習は、保健所や保健センターなどに赴き、地域が抱える健康問題から事業計画を作成。地域ケアシステムについての行政への提案など健康政策現場で役立つ思考力や判断力を養います。

04 福井県で唯一。統合カリキュラムによる助産師教育(選択制)

助産師課程では、国家試験受験資格に必要な学修を1年次から行い、4年次では専門科目を講義・演習・実習で学びます。病院や助産所で行う助産学実習では、命の誕生に立ち会います。また、妊娠後期から産後に関わり、出産のためのバースプランづくりに取り組む実習もあります。

05 海外論文や医療ジャーナルから情報や知識を取得するための看護学英語

看護や医学に関連する専門領域の英米の雑誌や論文、教科書等を読み解くために必要な英語の基礎知識を身につける「看護学英語」。看護の臨床で必要とされる専門用語を系統的に整理して理解するなど、英文読解力を向上させるとともに、患者の多様化に対応した会話能力も養成します。