技術をもって人を幸せにする工学は、ある意味人類の始まりからあるものです。原始人が、石を加工してナイフを作り出した。これは工学ですよね。洞窟で暮らしていたけれど、家を建てるようになった。これも工学。こういうことが機械とか建築とか工学の始まりとなって、そこに例えば火薬を発明して新たな技術が拡がる。また、電気の発見が今日のデジタル社会を支える多くの技術に発展した。このように技術を多方面に進化させて人を幸せにしてきたわけです。もちろん、自然破壊など負の面があることは忘れてはいけません。工学はとにかく範囲が広いんです。本学部は、本州の日本海側にある国立大学のなかでは最大級で、理学に近い分野もカバーしていますので、専門を選びやすいと思います。未知の領域へ進化を続ける工学の分野。答えのない問題にどうやって向き合うかを学んでください。
学部長 福井 一俊
機械・システム工学科
高度化、知能化、精密化が進む、機械・システム領域。専門分野を軸に、異分野から先端技術にアプローチする未来志向のエンジニアを養成します。
機械工学コース
あらゆる産業分野とつながる機械工学の領域。SDGsなども見据え、環境と調和した社会を実現するために、ものづくりのキーテクノロジーにハードとソフトの両面からアプローチしていきます。
ロボティクスコース
機械・電子・情報などの基礎から応用までを統合した「ロボット工学」。学科内の演習室「ロボット工房」などで技術を磨き、最先端のソフトやハードを研究。人工知能(AI)やヒューマノイドを創り出す人材を育成します。
原子力安全工学コース
3年次からは敦賀キャンパスで、県内の原子力施設を活用し、安全・安心に基づく基礎研究を行います。物理や機械工学、応用化学なども含む総合先端工学分野に通用する知識と技術を身につけます。
電気電子情報工学科
現代社会の課題を踏まえた電気・通信設備、情報セキュリティ技術、デバイス技術や制御・伝送システムなどを体系的に学ぶことで、分野横断的な技術力と高い専門性を身につけることができます。「Society5.0」において、サイバー空間と現実空間を融合させたシステムに不可欠なスーパーコンピュータ、量子技術など最先端の基盤技術が学べます。
電子物性工学コース
電磁気学や物理学を基盤とし、量子エレクトロニクス、固体電子論、半導体工学などの専門分野を学びます。先端的な電子材料・デバイス、光エレクトロニクス分野の研究を通して、分野横断型のプロジェクトにも貢献できる柔軟な発想力も培います。
電気通信システム工学コース
情報通信工学、システム制御工学などの専門分野を学び、エネルギー変換に関する新材料・デバイスの開発や自然エネルギー利用による電力系統の高効率なネットワークを構築できる技術者・研究者を養成します。
情報工学コース
アルゴリズムを基盤とした「情報工学」と「メディア工学」を横断して学び、情報・通信に関するハードウェアと基本ソフトウェア、CG やデータベースなどの応用ソフトウェアの開発、映像・音声などマルチメディア情報処理に精通する技術者・研究者を養成します。
建築・都市環境工学科
建築学と土木工学という専門分野の蓄積と融合を基盤にした、安全で安心な社会生活環境の実現に貢献する実践力のある人材を養成します。工学的な視点に加えて社会学的な視点を持ち、多発する自然災害や社会環境の変化など新たに顕在化する課題を見越した対応ができる能力を身につけます。
建築学コース
生活空間を構造、材料・施工、環境・設備、計画・設計、歴史・意匠といったさまざまな分野から把握。建築物やそれを取り巻く人文・社会・自然環境との調和を追求するための専門分野を学び、社会における新しい価値を創造する力を養います。
都市環境工学コース
構造、水理、地盤、材料、計画、環境など社会のインフラに直結する専門分野を網羅的に学びます。社会基盤の保持や発展に関わる諸課題を解決するための応用力と実践力を養い、持続可能な国土形成、地域社会の活性化に貢献することを目指します。
物質・生命化学科
化学・繊維をはじめ、自動車、機械、電子、エネルギー、食品、医薬品……未来を拓く素材や製品を作り出す、高度な専門性を備えた人材を養成します。生物化学やバイオテクノロジーの新しい展開などを通して、持続可能で豊かな社会の実現を描く創造力を身につけます。
繊維・機能性材料工学コース
衣類だけでなく、自動車や航空機、生体適合性繊維など、さまざまな産業に深く関わる繊維・材料の加工や高性能化のための基盤となる科学と技術を広く学びます。
物質化学コース
化学反応や作製工程を検証し追究する研究や、新しい化成品や環境技術の開発の根幹となる広い範囲の科学分野について深く学びます。
バイオ・応用医工学コース
遺伝子レベルでの生命現象の解析からゲノム編集、自然由来の有効な物質の工業生産まで、バイオテクノロジーに関する幅広い知識と技術を深く学びます。
応用物理学科
現代科学の基礎となる物理学を学ぶ喜びを知ることを通じて、物事を広く基本に立ち返って学び、論理的に考える習慣・能力を持った人材を育成します。限られた資源・条件の中でも物理を中心とした科学を応用展開する能力を身につけます。
工学への応用を考える
この学科ではコースを設置せず、物理学、数学、化学といった自然科学の基礎を学び、これらを用いて物質のミクロな構造や極限状態に迫ります。講義・実験ともに基礎的なものに加えて応用的なものも多くあります。
広範囲な自然科学分野を扱う
量子力学、統計力学など物理学の基礎を新たな工業技術に結びつけ、イノベーションを目指します。物理学の理論・実験以外に、計算機シミュレーションや環境、原子力、遠赤外光に関する問題に取り組むこともできます。
自由な実験空間
学部生が課外活動として自由に実験や研究のできるプレ研究室「物理博物館」では、実験器具や材料の揃った部屋が開放され、学生はめいめいのテーマを持って興味のある実験に取り組めます。