文学部

前期課程の科類との基本的対応関係:文科三類

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時間と空間、言語や文化をこえて旅をしながら私たちが人間としてこの世界で生きることその根源を一緒に考え、対話する場です

 文学部には27の専修課程があります。哲学、歴史学、文学といった「人文学」と呼ばれる諸分野に加えて、社会学、心理学のような社会科学や自然科学に近い分野も含めて、幅広く人間と社会について考察しています。いろいろな専門が雑然と並んでいる、そんな印象を受けるかもしれません。しかし、それが文学部の魅力であり、強みだと言えるでしょう。
 なぜなら、私たちが生きるこの世界は、けっして一つの尺度では割り切れず、一枚の全体像で捉えることも、唯一の答えを出すこともできない厄介なものだからです。実際、私たちが直面する地球規模の課題や社会と人間の諸問題は、複雑きわまりなく、解きほぐし難いことがわかっています。その状況に辛抱づよく向き合い、多角的に考えるのが、文学部の学問なのです。
 学生はそれぞれ、思想、宗教、芸術、歴史、考古、文学、言語、社会、心理といった領域を扱う学問の手法を学びつつ、日本、アジア、ヨーロッパ、アメリカなど多様な文化と歴史を横断して視野を広げていきます。そこに共通するのは、人間の文化の営みとしての「文献(テクスト)」を読み解く作業であり、そこで議論して私たち自身の問題として考えていく訓練です。
 文学部での勉強は、ややもすると時間と手間ばかりかかる、現実から離れた迂遠な営みに見えるかもしれません。しかし、私たちがどっぷりと浸かって生きている現実は、現代社会の内側からは十分に見てとることはできせん。そこから一旦身を離して、異なるさまざまな視野を経験することで、それが何なのかをはじめて認識できる、そんな対象なのです。文学部で学ぶことは、まさにそうした視野に立つことであり、根源にさかのぼって自分で考え生きる力を身につけ、実践していくことなのです。
 一つ一つの専門分野は、広大な範囲と長い研究の歴史をもっています。人類が何千年も培ってきた叡智の集積だからです。その中から自分にもっとも合った問いとテーマを見つけて、とことん研究してみることが大切です。そのとき、異なる領域や関心で論じられていることの内容や意義に気づき、驚くこともあるはずです。
 文学部は一人一人を尊重し、教員も学生も社会の人たちも一緒になって、互いに批判し啓発しあいながらあれこれ考える場です。この場に参加して、一緒に対話していく皆さんをお待ちしています。
 

心の財産

研究室という学問のコミュニティ

 文学部生は必ずいずれかの専修課程に属します。文学部は大学院人文社会系研究科に接続していますから、一つの専修課程には学部3年から博士課程までの年齢層の異なる学生が教員や助教とともに同居することになります。大学院の学生の中には留学生も少なくありません。この空間を研究室とよびます。規模の大小はあるものの、研究室は日常的に学生と接する助教をリーダーとするコミュニティの観を呈します。どの研究室にも共同の辞書室あるいは学生談話室のような場所があり、そこでの予習や談論、自主的な勉強会を通して、進学当初は緊張し気後れしていた3年生もしだいに溶け込み、4年生になるころには知的にも人間的にも、しばしばたくましい成長ぶりを見せてくれます。同じ分野を専攻する先輩や同輩との語らいや友人関係は、卒業した後も貴重な財産となることでしょう。


知性と感性

古典を読んで新しい世界を開く

 大学では英語以外にもさまざまな外国語が教えられています。とりわけ文学部では3・4年生を対象とする外国語教育に重点が置かれています。英独仏露の他、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語、ヒンディー語、中国語、韓国朝鮮語、アラビア語、ペルシア語、ラテン語、ギリシャ語、チベット語等があります。せっかく学んだ外国語、それを活用しない手はありません。文学部では、オリジナルの言語で書かれたテキストをきちんと読む力を養うために「原典」を読む授業や、「古典」を読む授業も多く開講しています。プラトン、スピノザ、ウィトゲンシュタイン、紫式部、朱熹、アリストファネス、シェイクスピア、ディドロ、チョムスキー等の作品や、『万葉集』『タルムード』『ニーベルンゲンの歌』等を読む演習もあります。古典をじっくりと読む経験から、必ずや新しい世界が開かれていくことでしょう。ここで培われた読む力は、大学を卒業した後も、一生を通して皆さんの知性と感性を高めてくれるに違いありません。


書を捨てないで外に出よう

実地に学ぶ

 文学部というと、ひたすら本を読んでいるところと思われるかもしれません。しかし、それは違います。心理学ではさまざまな測定装置を使う実験が数多く行われていますし、社会学ではフィールドワークを含む社会調査が不可欠です。考古学の発掘はもとより、歴史学の文書研究でも、美術史の研究でも、じつにさまざまな場所に出かけていっての実習が行われています。なかには海外の研究所と提携したサマー・プログラムやウィンター・プログラムのように、海外の学生を迎え、あるいは諸外国に出向く国際交流の機会もあります。文学部の学生は、研究室や図書館の外にも出ているのです。書を捨ててではなく、書を携えて。


気後れなんて

演習で自分を鍛える

 文学部の授業でとても重要なのが、各専修課程に必ず設けられている演習(ゼミ)と呼ばれる授業です。専修課程によってその内容は違っていますが、もっぱら教員が講義を行う授業とは異なり、テキストの輪読や調査の報告など、学生が主体的に参加するところに特徴があります。ふつう演習は、参加者全員の顔がわかるくらいの少人数で行われ、学生は自分で勉強してきたことを教員や仲間の前で発表し、教員を交えて質疑応答や議論を行うことになります。
 はじめは気後れしたり、自分の間違いを指摘されることを嫌がったりすることもありますが、演習での「失敗」は必ず力になるものです。
 2年間を通していずれかの演習に参加することにより、文学部の学生は卒業論文を書く力を身につけていきます。ときにはティーチング・アシスタントを務める先輩の大学院の学生が助けてくれるかもしれません。ゼミの仲間は、貴重な友人となるでしょう。


海の中へ

卒業論文という試練

 文学部の学生にとっての最大の試練は、おそらくこの卒業論文の作成でしょう。その形式や内容は専修課程によって違いがありますが、学生生活の総決算にあたるもので、これがきちんと書けないと卒業することはできません。自分の考えていることを、その妥当性を吟味しつつ、説得力のあることばで過不足なく表現すること――それはとても難しく、苦しい営み。だからこそ心弾む作業なのです。
 また、大学院に進学しようという学生は、卒業論文で自分の力をアピールしなければなりません。自分でテーマを設定し、問いをたて、先人たちの研究とは異なった新しさを打ち出しながら、学術論文の形式に従って、論文を書くというのは、決してなまやさしいことではありません。提出期限を間近に控えた4年次の1月は、とても正月気分にはなれないでしょう。しかし、テーマは何であれ、卒業論文は著者である学生の情報収集・解析能力、構想力、表現力、忍耐力、そして体力を高める絶好の機会なのです。この試練を乗り越えた学生は、どこに行っても立派な社会人として通用するに違いありません。
 是非、文学部でこの試練にチャレンジしてください。質量ともに第一級の文献の海が、皆さんを待っています。

人文学科

・哲学専修課程
・中国思想文化学専修課程
・インド哲学仏教学専修課程
・倫理学専修課程
・宗教学宗教史学専修課程
・美学芸術学専修課程
・イスラム学専修課程
・日本史学専修課程
・東洋史学専修課程
・西洋史学専修課程
・考古学専修課程
・美術史学専修課程
・言語学専修課程
・日本語日本文学(国語学)専修課程
・日本語日本文学(国文学)専修課程
・中国語中国文学専修課程
・インド語インド文学専修課程
・英語英米文学専修課程
・ドイツ語ドイツ文学専修課程
・フランス語フランス文学専修課程
・スラヴ語スラヴ文学専修課程
・南欧語南欧文学専修課程
・現代文芸論専修課程
・西洋古典学専修課程
・心理学専修課程
・社会心理学専修課程
・社会学専修課程

 以下の専修課程開講科目以外に、全ての専修課程で特殊講義・演習が開講されています。

専修課程開講科目

・哲学概論
・西洋哲学史概説
・中国思想文化学概論
・中国思想文化史概説
・インド哲学概論
・インド哲学史概説
・仏教概論
・比較仏教論
・倫理学概論
・西洋倫理思想史概説
・東洋倫理思想史概説
・宗教学概論
・宗教史概説
・美学概論
・芸術学概論
・美学史講義
・原典講読
・イスラム学概論
・イスラム史概説
・史学概論
・東洋史学研究入門
・西洋史学研究入門
・考古学概論
・野外考古学
・美術史調査方法論
・言語学概論
・音声学
・比較言語学
・国語学概論
・国文学概論
・日本書誌学概論
・日本文学史
・中国語学概論
・中国言語文化論
・印度語学概論
・印度文学史概説
・英語学概論
・英文学史概説
・米文学史概説
・ドイツ語学概論
・ドイツ文学史概説
・ドイツ語圏言語文化
・フランス語学概論
・フランス文学史概説
・フランス語圏言語文化
・スラヴ語学概論
・スラヴ文学史概説
・イタリア文学史概説
・比較文学概論
・現代文芸論概説
・心理学概論
・心理学実験演習
・心理学統計
・心理学研究法
・社会心理学概論
・社会心理学実験実習
・社会心理学調査実習
・社会心理学統計
・社会学概論
・社会学史概説
・社会調査
 
●人文学科