経済学部

前期課程の科類との基本的対応関係:文科二類

http://www.e.u-tokyo.ac.jp/

経済学関係では日本最高の図書を保有し、コンピュータやデータベースも充実するとともに、演習などの少人数教育を重視するなど、質量ともに日本最高の経済学教育の殿堂です

 経済や経営についての専門的知識を備えた人材の社会的なニーズは高まっています。本学部を卒業した人の多くが、国際的な経済学者、ビジネスのリーダー、政府や国際機関等の中心的な人材として活躍しています。グローバル化が進み、経済活動が社会に及ぼす影響がますます大きくなる中で、優れた研究教育スタッフと設備を持ち、日本で最も優れた経済学教育を提供している本学部の存在意義は今後ますます高くなると自負しています。
 経済学部は、基本となる経済理論等共通する科目を多く持ちつつも、以下の3学科から構成されています。経済学科は、財政、金融、産業、労働、国際経済等の様々な経済現象を、統計的、数理的、制度的、歴史的な分析手法を用いて把握・分析することを目指します。経営学科は企業の諸活動あるいは経営組織における人間行動をやはり多様な分析手法で把握・分析することを目指します。また、金融学科は金融工学、マクロ金融政策、企業財務、企業会計等についてより深く学ぶことを目指します。
 経済学部の教育の特徴は演習(ゼミナール)等の少人数教育を重視していることです。学生の主体的なグループ学習を奨励するプロアクティブ・ラーニング・セミナー、卒業論文の個別指導、他の大学とのインゼミなど、多様な活動が行われています。社会科学である経済学は大教室の講義や書籍だけで身につくものではありません。そうした座学も重要ですが、実際に政策運営や企業経営の現場に接し、内外のいろいろな識者の話を聞き議論することが重要です。演習で工場見学をしたり、企業の方に産業事情の講義をしていただくなど、本学部の学生にはそのような機会が多く与えられています。
 設備の面でも本学部は優れています。平成29年7月に国際学術総合研究棟が竣工され、多くの教室や演習室が新たに加わりました。また、図書館は経済学書の分野では日本はもちろん世界でも有数な規模を誇っており、ネットワーク検索等も利用しやすくなっています。学内には多数のコンピュータ端末が設置されており、それを利用してデータ検索や経済分析が可能になっています。
 カリキュラム面でも通常の学部レベルの講義以外に、学部の学生が積極的に大学院初級のコースを受講できる併設授業があります。また学部プラス1年で修士号を授与する卓越プログラムが設けられており、社会の一線で活躍する即戦力の人材を育成しています。経済学研究科、公共政策大学院等の大学院に進学する学生も多くいます。
 

社会を見る目を磨く

経済学は複雑な社会現象を読み解く手法

 内外の経済・社会は常に大きな変化を遂げています。バブル崩壊の不況で苦しんできた日本はこれから急速な高齢化の波にさらされます。近隣の中国経済の台頭の中で東アジアの政治経済環境は大きく変化してきました。国境を越えた企業の活動は拡大を続け、自動車やエレクトロニクス産業の諸企業は世界的な視点で開発・生産・販売体制を構築しています。海外からも多くの企業が日本に投資を行い、さまざまな分野で外資系企業の活躍が目立ちます。このように経済や社会が目まぐるしく変化するからこそ、そうした変化の根底にある潮流を冷静に見極め、正しい判断を行う知見が求められます。経済学とは複雑な社会を読み解く文法のようなものです。経済学の知識なしに現代の社会を理解することはできないと言っても過言ではないでしょう。


多様なアプローチ

経済学は間口の広い学問

 経済学はさまざまな手法から構成されています。財政や金融等、経済の基本的な構造を理解するための制度的な分析から始まり、価格や市場の機能を深く理解するための純粋理論、統計データを駆使して市場や経済の現実を分析する統計的手法、歴史を検証することで得られる長期的な視野、具体的な企業や産業のケーススタディーを通じて行われる調査等、さまざまな手法があります。学問としての経済学を見たとき、一方では抽象的な数理分析を多用するという自然科学的な側面を持っていると同時に、他方では社会全体の経済問題から個別産業や企業の問題までさまざまなテーマを取り扱うという社会科学的な側面があります。学問としての経済学を学ぶ学生にとっては、理論・歴史分析・制度・統計手法等いずれの手法でも自分が関心を持つどれかに力点を置いて学ぶことができます。その意味で経済学は間口の広い学問で、いろいろな関心から学ぶことができます。


経済学を通じて世界とつながる

グローバル化の中で求められる経済の専門家

 経済活動がグローバル化するのと同様に、学問としての経済学もグローバル化しています。社会科学の中では最も国際標準化が進んでいる学問であると言ってよいでしょう。アメリカ、欧州、中国など海外の大学で学生が学ぶ経済学と、本学で教える経済学の内容には多くの共通性があります。こうした学問の国際標準化の結果、経済学という共通の言語で内外の人々の間でコミュニケーションが行われています。政府・国際機関・企業・マスコミなどあらゆる分野で、経済学の専門的な知識や分析能力を持った人が求められています。教育や研究の現場でもこうしたグローバル化の動きを感じることができます。本学では多くの留学生が学ぶと同時に、本学の学生や卒業生の多くも海外留学を経験します。また、日本を代表する研究拠点である本学部には海外から多くの研究者がやってきます。


広がる経済学の利用

社会の至る所で利用されている経済学

 経済学の考え方は社会のさまざまな所で利用されています。政府、自治体、日本銀行等による政策決定や政策運営は経済学を抜きに語ることはできません。世界銀行や国際通貨基金などの国際機関では専門的な経済学の知識を持った人が多く働いています。国内外の民間企業の活動でも、金融市場分析、市場動向調査、景気判断などで、経済モデルが活用されることが少なくありません。こうしたモデルは時にコンピュータを活用して多くのデータを分析することにも活用されます。また、こうした専門的な知識とは別に、経済学的な思考が社会の中で果たす役割の重要性は増しています。年金、雇用、税、医療等生活に深く関わる多くの問題を正しく理解する上で経済学的な思考が求められます。また、国内外で起きているいろいろな現象も経済学的な見方を抜きに理解することが難しくなっています。


経世済民!

経済学でお金もうけ?

 皆さんの中には、経済学を勉強すればお金もうけができると思っている人もいるかもしれません。たしかに、金融機関では高度な経済理論を駆使してできるだけ高い投資収益をあげようとしていますし、新しい企業を起こしてお金もうけをしたいという人にとって経済を読み解く手法としての経済学は役立つものでしょう。ただ、経済社会を見る目を養うことをお金もうけの手段としてだけでとらえるのは、あまりにも狭い見方です。経済学は、目先のお金に目が眩むことの愚かさを教えてくれる学問でもあります。また、お金の動きだけに限定することなく、より幅広い視野で経済社会を見る力を養うことで、個人の利得を越えて社会の繁栄、安定に貢献することに経済学の主眼があります。Economicsという英語を経済学と訳しますが、その語源は「経世済民」(世の中を治め、人民の苦しみを救うこと)であると言われています。

専門科目1

・ミクロ経済学T
・ミクロ経済学U
・マクロ経済学T
・マクロ経済学U
・統計T
・統計U
・経営
・経済史T
・経済史U
・ファイナンス
・ゲーム理論
・会計

専門科目2

・経済学史T
・現代資本主義論T
・日本経済T
・労働経済T
・都市経済T
・国際経済T
・開発経済T
・近代日本経済史T
・現代日本経済史T
・現代西洋経済史T
・アジア経済史
・計量経済学T
・経済学のための数学
・産業組織T
・国際金融
・数理統計T
・メカニズムデザイン
・財政T
・金融T

専門科目3

・経営科学T
・国際経営T
・ICTマネジメントT
・技術経営T
・フード・システムT
・グローバル・ベンチャリングT
・計量経済学T
・経済学のための数学
・産業組織T
・国際金融
・生産システムT
・経営戦略T
・雇用システムT
・経営史T
・日本経営史T
・マーケティングT
・経営管理T
・財務会計T
・管理会計T
・経営財務T

専門科目4

・保険数理T
・プログラミング
・デリバティブ
・金融機関のリスク管理
・計量経済学T
・経済学のための数学
・産業組織T
・国際金融
・数理統計T
・メカニズムデザイン
・財政T
・金融T
・生産システムT
・経営戦略T
・雇用システムT
・経営史T
・日本経営史T
・マーケティングT
・経営管理T
・財務会計T
・管理会計T
・経営財務T

選択科目

・経済学特論
・統計学特論
・地域研究特論
・経済史特論
・経営学特論
・数量ファイナンス特論
・演習
・少人数講義
・プロアクティブ・ラーニング・セミナー
・総合演習
・民法(1)
・民法(2)
・行政法
・労働法
・商法(1)
・商法(2)
・商法(3)
・経済法
・日本政治史
・日本政治
・産業事情
 
●経済学科
●経営学科
●金融学科