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モバっちょ


第329回『数秒先の自分を想像すること』
 皆さんこんにちは!

 私の趣味は山登りなのです。よく「登山って何が面白いの?」と訊かれることがあります。汗をかきながら歩き続け、目の前にある傾斜が延々と続いていくように見えて、一人のときなどは周りを見渡しても誰もいない・・・。でも、トラブルや危険が発生したとき以外、不思議と途中で帰ろうと思ったことはありません。

 山道を歩いていくと、少しずつ景色が変わって、開けたところに出ると、それまで自分が見たことのないような美しい景色が迎えてくれます。そこが山頂でなくても、何か達成感のようなものを感じる自分がいて、また頂上に向かって進もうという意欲が湧いてきます。「この先には何があるのか」を想像しながら歩くと、苦しさが和らぐこともあります。あと、山の上の食事がとにかく美味しいからです。

 私の場合、「登山の何が面白いか」という質問への答えは、この二つに尽きると思います。

 ヒマラヤ山脈には、標高8,000メートルを越える山が14箇所あり、これらを全て登った竹内洋岳さんは、「登山とは想像のスポーツ」として、自分が今歩いているところの先に、何があるかを想像する大事さを語っています。

 『頂上まで行って、自分の足で下りてくる。ただそのために、登山家はひたすら想像をめぐらせます。無事に登頂する想像も大事ですが、うまく行かないことの想像も同じように大事です。死んでしまうという想像ができなければ、それを回避する手段も想像できません。私たち登山家は、どれだけ多くを想像できるかを競っているのです』

 山を歩いていると、美しいものの他に、さまざまなリスクも潜んでいます。それをどうやって回避するかで、その登山が成功するかどうか決まります。山に登る時は、こういうスタイルで、こういう方法で、このルートで、こういうふうに登るということを、人ではなく、自分に宣誓します。

 自分なりのルールを決めて、目標を作り、それに向かって必要なことをこなしていく・・・自分が今いる先を想像しながら取り組めば、目標に向かう気持ちも、少しは変わるかもしれません。

 ふとしたときに、数秒先の「未来の自分」を想像してみるのは、いかがでしょうか。