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平成29年度北海道科学技術奨励賞を受賞しました
 本学医学部病理学第一講座 金関貴幸講師が、平成29年度北海道科学技術奨励賞を受賞し、平成30年2月20日(火)、センチュリーロイヤルホテルで贈呈式が行われました。

 北海道科学技術奨励賞は、本道の発展に寄与することが期待される科学技術上の優れた発明、研究を行い、今後の活躍が期待される若手研究者に、知事表彰として贈呈しているものです。

<受賞者>
医学部病理学第一講座 金関貴幸講師

<功績名>
「マススペクトロメトリーを用いた網羅的がん抗原解析技術の開発」

<功績の内容>
 がん免疫療法の現状の課題は免疫治療効果の個人差解消と奏功率の改善である。これまでがん抗原全体のレパートリーを見渡した網羅的解析が求められてきたが、がん細胞には膨大な数の抗原が存在し、また患者毎にも異なるため、抗原をひとつずつ検証する従来法では実現不可能であった。

 金関講師の研究グループは、HLAリガンドーム解析と呼ばれる新しい技術を開発した。これはマススペクトロメトリーを取り入れた抗原検出法で、がん細胞・組織からダイレクトに数千〜数万というオーダーで抗原を同定する革新的な解析技術である。これにより多大な労力と時間を要したプロセスが飛躍的にハイスループット化し、任意の患者組織における迅速ながん抗原スクリーニングが可能となった。

 既に金関講師らは、大腸がん細胞のHLA-A24抗原レパートリー全貌を明らかとしたほか、がん固有の遺伝子変異に由来するネオアンチゲンやがん幹細胞成分に発現する抗原など、従来法では検出が難しかった新しいタイプのがん抗原を世界に先駆けて次々と同定している。同定されたがん抗原はいずれも強いT細胞反応を惹起し、新規のがん治療標的として期待されるとともに、本技術の有用性を実証している。

 本技術は臨床現場のニーズに応えるものであり、患者に最適な治療標的・がん抗原を探索する、次世代型がん免疫療法の実現を今後大きく推進させるものと期待される。