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 総合科学系複合領域科学部門 野口准教授らの沖縄熱水海底下生命圏掘削による熱水孔下生命圏の限界を発見した研究成果が、Nature系科学誌The ISME Journalに掲載されました
 本学総合科学系複合領域科学部門 野口准教授が参加する海洋研究開発機構、東京大学、九州大学、高知大学、ドイツ連邦地球科学天然資源研究所の研究グループは、2010年9月に実施した中部沖縄トラフ熱水活動域での科学掘削(沖縄熱水海底下生命圏掘削)で取得した柱状試料(コアサンプル)を用いて、深海熱水噴出孔近傍の海底下に存在する生命圏「熱水噴出孔直下生命圏」の存在様式とその限界を明らかにしました。

 これまでの研究により、熱水噴出孔の海底下には地球内部エネルギーに依存した超好熱性微生物(※1)の住処(熱水噴出孔直下生命圏)があることが強く予見されていました。しかし、科学掘削やその試料による直接的な証明に到った研究例はありませんでした。本研究では、統合国際深海掘削計画第331次研究航海で取得されたコアサンプルの詳細な地球化学的分析と微生物学的解析を行い、微生物学、地球化学、鉱物学的手法を組み合わせた学際統合的な手法と解釈を通じて、海底下高温熱水溜まりの変動やその化学組成の変化に伴う生息環境の空間的・時間的変化に規制された「熱水噴出孔直下生命圏」の存在を明らかにすることができました。また、本研究は、海底下環境に生命圏と非生命圏の境界が存在することを世界で初めて明確に捉えることに成功し、その生息限界を決定づける物理・化学条件(今回の場合は高温)を明らかにした点で、地球における生命活動や生命圏の限界という根源的な科学命題に一つの答えを与える画期的な成果と言えます。

 本研究成果は、10月11日に、英国のNature系科学誌「The ISME Journal」のオンライン版に掲載されました。

 詳細については、下記URL(PC版)の海洋研究開発機構のホームページをご覧ください。
http://www.jamstec.go.jp/j/about/press_release/20161011_2/ (外部サイトに移動します)

論文名:
Defining boundaries for the distribution of microbial communities beneath the sediment-buried, hydrothermally active seafloor.

著者:
柳川勝紀1、2、3、井尻暁4、Anja Breuker5、酒井早苗1、三好陽子6、川口慎介1、野口拓郎7、平井美穂8、Axel Schippers5、石橋純一郎6、高木善弘1、砂村倫成2、浦辺徹郎2、布浦拓郎8、高井研1

所属:
1.海洋研究開発機構 深海・地殻内生物圏研究分野、2.東京大学大学院理学系研究科、3.九州大学大学院比較社会文化研究院、4.海洋研究開発機構 高知コア研究所地球深部生命研究グループ、5.ドイツ連邦地球科学天然資源研究所、6.九州大学大学院理学府、7.高知大学教育研究部総合科学系複合領域科学部門、8.海洋研究開発機構 海洋生命理工学研究開発センター

雑誌名:
The ISME Journal(2016年10月11日版)

※1 超好熱性
 80℃以上の高温に至適生育温度を有する生理学的特徴。
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