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学長ごあいさつ
〜伝統を礎に、新たなグローバルステージへ〜

名古屋工業大学長
鵜飼 裕之


 名古屋工業大学は、科学技術のめざましい発展とともに歩み、中京地域の拡大、飛躍に支えられ、わが国屈指の工学系単科大学として成長してまいりました。激動する社会情勢の中、さらなる飛躍をめざし「伝統を礎に、新たなグローバルステージへ」と向かう大学改革アクションプランの実施に向け、第三期中期目標・中期計画がスタートしました。新年度にあたり、本学の取組み、めざすところを述べたいと思います。

◆めざす教育―実践的工学エリートの養成
 「科学技術で未来社会を創るという高い志を育む教育」をめざし、歴史、文化、社会の発展を世界的な視野で理解し(叡智)、科学と技術(スキル)を新しい社会の創造に繋げる(実行力)人材を育成します。平成28年4月よりスタートした新学科・新専攻は、学問体系にしっかりと根を下ろしながら新たな社会・産業界の人材ニーズに対応できる教育体制です。また、学部・大学院修士課程を6年一貫で教育する創造工学教育課程は、科学技術に対する多面的な視点と新たな価値観で、未来の産業、社会を工学技術で革新する技術者・研究者の育成をめざしています。社会のグローバル化が激しさを増す中、国際的に通用する人材を育成するという社会、産業界からの要請が高まっています。それに応えるため、語学力の習得強化、海外留学、海外インターンシップなどグローバル教育の拡充をはかってまいります。

 これからも名古屋工業大学は、工学教育のフロントランナーとなるべく、一層磨きをかけてまいります。

◆めざす研究―工学イノベーションハブの構築
 「工学で世界の平和と幸福に貢献する研究」をめざし、工学の様々な分野の先端的、独創的な研究(テクノロジーの宝庫)で新たな価値をデザインし(イノベーション創出)、世界に発信することができる研究拠点を構築しています。この研究方針に基づき、昨年度設置した「材料科学フロンティア研究院」「情報科学フロンティア研究院」を中核として、研究ユニットごとに海外著名大学からの外国人教員、国内の企業人材を積極的に採用し、国際的な共同研究拠点となるよう推進しています。そして、その成果をすべての研究分野に波及させることで全学の研究体制を有機的に一体化し、「エネルギー」「ライフ」「知能技術」などイノベーション原動力の創出とグローバル人材の育成をめざしています。また、若手教員の研究力・教育力を養うため、一年間、本務を離れて海外に送り出す「若手研究者在外研究員制度」をスタートさせました。こうした仕組みは、本学の研究力の国際展開に、将来、大きく寄与するものであると確信しています。

 本学には、社会・産業界の中の「活きた問題」を掘り起し、それを「活きた研究」として極めて、学問の根を深くおろすとともに、「活きた教育」として現す、という伝統の精神が根付いています。それを映して、産学官共同研究の実績は常にわが国の最上位にランクされています。今、知識集約型産業への産業構造の変化や経営におけるアライアンス型の普及という産業界の変化に対応し、大学への産学官連携の期待がこれまでにも増しています。その期待に応えるべく、名古屋工業大学では、イノベーション創出をめざした連携体制、共創の場の構築を進めています。昨年竣工した4号館1階に設置した「産学官交流プラザ」は、行政機関などを呼び込むことで産官学の連携を強化する交流スペースです。同8階に設置した「産学協同研究講座・産学協同研究部門」は、企業が学内の教育研究資源を活用しながら自立的に研究を進めることができるスペースです。また、昨年から本格的にスタートした地域の中小企業を対象とした「産学官連携学び合い」プログラムは、大学にとっては学生の実践力を涵養する社会実装教育や産学共同研究へと繋がり、企業にとっては新たな製品に繋がる新技術の創出が期待できる本学オリジナルの実践型教育プログラムです。さらには、金融界と提携し、産学官+金の連携事業による中堅・中小企業のトップを対象とした「事業創造人材育成講座」もスタートしました。

 名古屋工業大学は、戦略的、組織的に研究強化支援を行い、特定分野での世界的拠点形成をめざします。同時に、教育、人材交流の面では「学び合い」、研究の面では意見を「すり合わせ」する場と機会を提供し、地域の社会・産業界に貢献してまいります。

◆めざすキャンパスーダイバーシティ環境の整備
 多様な人材が協働するキャンパスをめざし、国際的なダイバーシティ環境の整備を推進します。この方針に基づき、留学生入学拡大のための教育プログラム・支援体制の充実、外国人教員の研究ユニット招致、海外事務所・海外同窓会を活用した国際交流拠点の充実など、内と外からキャンパスの国際化に取り組んでいます。また、男女共同参画を積極的に推進し、女性研究者支援体制の充実、女子学生比率の拡大などに全学あげて取り組み、女性の活力を存分に活かしながら、本学の活力をパワーアップさせています。さらに、インターンシッププログラム、学生との共学型社会人教育プログラムを充実させ、企業人材との交流の活性化を推進しています。併せて、学生の活力を最大限に引き出すため、課外活動、就職活動、生活相談などの直接的な支援も積極的に行いながら、多様な人材との交流を通じて「自ら育つキャンパス」作りに努めてまいります。

 伝統を受け継ぐもののひとつに学風があり、それを代々伝えているのは世代を超えた同窓生の繋がりです。本年秋には、本学の新講堂も竣工し、ホームカミングデーにあわせて記念イベントも予定しております。

 社会が大きく変わろうとする今こそ、伝統と実績を揺るぎないものとし、未来を先取りした工学フィールドとして、名古屋工業大学を社会にその存在を示す、まさに時代(とき)です。社会に貢献するため、教育と研究に対して、真摯に、そして矜持をもって臨んでいくことが大学の使命です。

 本学教職員のみならず、学生、同窓生、企業人、地域の皆様と意識の共有をはかり、大学改革に臨んでまいります。
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