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President’s message
「知のプロフェッショナル」になるために

 グローバル化が加速する中で、環境破壊、資源枯渇、地域格差、宗教対立、難民問題、金融システムの不安定化など、人類全体で取り組むべき課題が顕在化しています。これらの地球規模の課題に対処するためには、多様な人々が知恵を出し合い、それを活用し、連携協力して行動をおこすことが必要です。東京大学では、それを主導する「知のプロフェッショナル」を育成します。

 「知のプロフェッショナル」を育成する原動力となるものは、言うまでもなく、世界的に卓越した学問です。東京大学は、創立以来、日本の伝統に根を張りながら、西洋の学術文化を旺盛に取り込み、東西文化を融合した独創性の高い優れた知を生み出してきました。このように、多様で異なるものを受け入れ、これを活力として新しい卓越した知を生み出していくことが、これからの世界ではますます重要になります。東京大学の学生には、各分野の最先端の学問に触れ、興奮と喜びを体験し、それらを糧として自ら意欲をもって主体的に学び、自己を大きく成長させてほしいと考えています。そして、「知のプロフェッショナル」になるために、「自ら原理に立ち戻って考える力」、「忍耐強く考え続ける力」、「自ら新しい発想を生み出す力」の3つの基礎力を鍛えてもらいたいと願っています。

 大学案内に紹介されているように、東京大学は教育・研究面はもちろん構成員の面でも多様性豊かで、日本全国、世界各国から多くの学生が入学しています。このようにさまざまなバックグラウンドを持つ人々が集う環境で学ぶことは、皆さんが自らを成長させる絶好のチャンスです。その学びの中で、同輩や先輩との世界に広がるネットワークを構築することは、皆さんの人生にとって貴重な財産になることでしょう。

 こうした大学での学びへの備えとして私たちが最も大切だと考えているのは、単に知識の量ではなく、基本となる知識を柔軟な発想によって使いこなす力を身に着けていることです。東京大学ではこうした力を持ち、主体的な学びへの強い意欲を持った学生を幅広く受け入れるために多様な入学試験を実施しています。

 今後も全国各地、世界各国からやってきた学生たちが男女を問わず安心して学べるよう、一層学びの環境を充実させていきたいと考えています。そして教育研究の水準をさらに高度なものとすることに努め、東京大学に入学した学生が、卒業するときに、「東京大学で学んでよかった」と心から思えるような大学にしたいと考えています。

 東京大学で学問の扉を開きましょう。皆さんの挑戦を心から歓迎します。

東京大学総長
五神 真