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井澤龍准教授の論文が、経営史学会第53回全国大会において「経営史学会・出版文化社賞」を受賞しました。
 経済学部 井澤龍准教授の論文が、10月21・22日に福井県立大学で開催された経営史学会第53回全国大会において「経営史学会・出版文化社賞」を受賞しました。

【井澤龍准教授の論文】
「20世紀前半のイギリス企業と英米間の二重所得課税問題―第一次世界大戦から1945年英米租税条約締結まで―」『経営史学』第51巻第2号,2016年9月,pp.3-25

【論文の要旨】
 1945年に英米租税条約が結ばれた成立過程、経済的基礎について分析した。

 1945年英米租税条約とは、イギリス政府が初めて帝国外で一般的所得に関して租税条約を結んだ画期的な取り決めであった。しかし、アメリカとの間で国際的二重課税の問題は、第一次世界大戦中から生じていた。この際に、租税条約が結ばれなかったのは、イギリス政府が税収減を嫌がり、解決策を打ち出さなかったためであった。このため、イギリス多国籍企業(Phelps Dodge,Coutaulds,J&P Coats等)は、この事業環境に適応するために経営組織を再編成した。こうした対応策は、企業の長期の投資行動に影響を与えることになった。結局、1936年にアメリカで配当税が導入されたこと、第二次世界大戦により重税化が進んだことで、既存の国際課税制度の問題点が露わになり、イギリス政府は英国多国籍企業からの陳情も受け入れながら、英米租税条約を締結することを決断した。

 同論文について学会賞選考委員会からは、国際関係をとりあつかう経営史研究においても独自の領域を開いていく可能性を十分に示し、今後の研究の広がりが期待できると評されました。
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